BMW 7シリーズ、デビュー

公開 : 2015.06.11 22:50  更新 : 2017.06.01 02:09

メルセデス・ベンツSクラスアウディA8に対してラグジュアリー・クラスでの反撃を行うべく使命を持たされたBMWのフラッグシップ・サルーン、7シリーズがデビューした。

この6代目となる7シリーズの大きな特徴は、カーボンファイバーのハイブリッド・フォームを使用したボディで、先代に較べておよそ130kgもの軽量化がされたことだ。また、今回新たになったガソリンおよびディーゼルの6気筒ユニットや、電気モーターのみで最高40kmの航続距離を持つハイブリッド・ユニットも採用されている。更に、今回7シリーズとしては初めての4WSを備えた4WDシステムも採用されている。加えて、リモート・パーキング・システムや、タッチ&ジェスチャー・コントロールが可能な新しいiDriveも新しい7シリーズの特徴のひとつである。

ボディはショート・ホイールベースのG11とロング・ホイールベースのG12があるのは先代と同様だ。より傾斜のきつくなったリア・ウインドーと、スロープが激しくなったトランクが与えられるが、それでも伝統的な3ボックスのシルエットは保たれている。フロントのキドニー・グリルはより凹凸が強調されたものとなり、エンジン・ベイへのエア・フローを考慮したものとなっている。また、大きなLEDヘッドランプとフロント・バンパーに収められたLEDフォグランプ、輪郭がはっきりとしたボンネットも特徴のひとつ。なお、ヘッドランプは、i8にも採用されたレーザー・ハイビームがオプションとして用意される。

サイド・シルエットもよりはっきりとしたものとなり、ショルダー部分が強調されている。また、グラスハウスは高くなり、フロントのホイールハウス後方からクロームのハイライトがサイドシル上部に飾り付けられている。

リアの特徴はその高いトランクで、伝統的なL字型のテールランプと、左右に走る1本のクロームのラインと共に組み合わせられている。

BMWはこの新しい7シリーズに4つのスタイリング・パッケージを用意している。スタンダード、Mスポーツ、ピュア・エクセレンス、そしてインディビデュアルの4つだ。

標準的なショート・ホイールベース・ボディの全長は5098mm、全幅は1902mm、全高が1478mmで、これは先代に較べると19mmほど長く、7mmほど高い数値となる。また、ロング・ホイールベース・ボディは、先代よりも18mm長い5238mmの全長を持つ。ホイールベースは、ショート・ホイールベースが3070mm、ロング・ホイールベースが3210mmと、この数値は先代と同一である。トレッドは、フロントが7mm広くなった1618mm、リアが4mmほど狭くなった1646mmだ。

エクステリア同様、インテリアも、ダッシュボード、コントロール、トリムなどが一新されている。デジタル・イントルメントのグラフィックは通常はホワイトでライトアップされるが、ドライビング・モードに応じてブルーやレッドに変化するというもの。また、マルチ・ファンクション・ステアリングのデザインも一新され、フロント・シートにはベンチレーションとマッサージ機能が装備される。

インテリアのオプションは豊富で、シートやステアリングだけでなくアームレストやドア、センター・コンソール、リア・センター・アームレストまでが暖かくなるヒート・コンフォート・パッケージなどといった贅沢な装備までラインナップされている。また、バウアーズ&ウィルキンスのサラウンド・サウンド・システム、ナイト・ビジョン、6色に切り替えが可能なガラス・サンルーフ、電磁誘導ワイヤレス式の携帯電話充電器、先代よりも75%も拡大されたヘッドアップ・ディスプレイなども用意される。

大きなニュースのひとつとして第5世代のiDriveが新規に採用されたことだ。セットアップが見直されたこのiDriveは、タッチパッドとタッチスクリーン・ファンクションを備え、オプションのナビゲーション・システム・プロフェッショナルと組み合わせることで、スマートフォンのようなピンチ、ポイント、スワイプといったコントロールが可能となる。また、従来通りのセンター・コンソールにマウントされたロータリー・ダイヤルもアップデートされている。更に、オプションとしてジェスチャー・コントロールにも対応している。これは、ヘッドライニングの中にセットされた3次元センサーを利用したもので、クランプ、ポイント、回転、スワイプ、2本指コマンドといった5つのジェスチャーを認識する。

エンジンは、740Liに搭載されるB58型の3.0ℓ6気筒ターボ・ガソリンと、730dに搭載されるB57型の3.0ℓターボ・ディーゼルがまずデビュー当初でのラインアップとなる。

ガソリン・ユニットは、325ps、45.9kg−mのパワー、トルクを持ち、前作のN55型よりもトルクは同じだが、パワーは6psほど上昇している。このエンジンを搭載した740LiのCO2排出量は154g/km、燃費は15.2km/ℓで、0-100km/h加速が5.5秒、最高速は250km/hだ。

一方のディーゼル・ユニットは、265ps、63.2kg-mのパワー、トルクを持ち、前作のN57型よりもパワーで7ps、トルクで6.2kg-mほど上昇している。このエンジンを搭載した730dのCO2排出量は119g/km、燃費は22.2km/ℓで、0-100km/h加速が5.8秒、最高速は250km/hだ。ちなみに、先代に較べてCO2排出量は29g/km、燃費は4.4km/ℓほど改善されているという。

この740Liおよび730dにはZF製の8速のオートマティックが標準で、オプションとしてパドル・シフトを備えたステップトロニックが設定される。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事