マツダ・ロードスターSレザーパッケージ
公開 : 2015.06.11 23:50 更新 : 2017.05.29 19:13
■どんなクルマ?
ついにというか、ようやくというか、2015年5月21日に発売が開始されたマツダ・ロードスター。1989年に登場した初代モデル、ユーノス・ロードスター(NA型)から数えて26年目。2015年にデビューした第4世代モデルはND型と呼ばれ、原点回帰ともいうべき軽量コンパクトなオープンスポーツに立ち戻った。
NDロードスターの特徴を語るうえでキーポイントとなるのは、この ‘軽量コンパクト’ という根幹のコンセプトであり、それを具現化するにあたって魂動デザインやSKYACTIVテクノロジーといった近年のマツダが推し進める技術が用いられている。
そのNDロードスターはさすがに注目度も高く、日本国内におけるメディア向けの試乗会もこれが3度目。プロトタイプ、プリ・プロダクション(正式生産前)モデルときて、ようやく市販モデルそのものを公道で走らせることのできる機会に恵まれた。舞台はロードスターのホームというべき、伊豆箱根のワインディングロードである。
試乗前から気分は高まるものの、実際のところ今回試乗した市販モデルは以前のプリ・プロダクションモデルとハードウェア的な差はない。プリ・プロダクションモデルとは生産工場で本格的な流れ生産に入る前に小ロットで製造されるモデルだが、今回の市販モデルは、現在も宇品第一工場がフル稼働して生産している車両そのもの。生産数をこなしていくことで各所が ‘馴染む’ ことはあるだろうけど、明確に乗り味の違いとして現れるほどではないだろう。
というわけで今回は、オープンスポーツのロードスターがより多くのファンに愛される要因となっているAT車に注目して試乗してみることにした。試乗したのはAT搭載モデルの最上位グレードとなるSレザーパッケージ(314万2800円)。その対局ともいえるベーシックグレードのS(249万4800円)も体験することができたのだが、こちらはMTのみのラインナップとなる。