アウディQ3 2.0TFSIクワトロ180PS
公開 : 2015.06.15 23:50 更新 : 2022.12.12 21:29
■どんな感じ?
よく曲がる。SUVなのに積極的に曲がろうとする。記憶のなかのティグアンがスタビリティ重視だったのに対して、Q3はハンドリングをキャラクターにしている。
試乗車はQ3の中堅どころたる2.0TFSIクワトロ180PSである。走りにかかわるオプションとして “S lineパッケージ” を装着している。足回りがスポーツサスペンションになり20mm車高が低められる一方で、1インチアップの18インチ・ホールを履く。パドルシフト付きの3スポークの革巻ステアリングもこのパッケージ専用だ。エフィシェンシー(エコ)からダイナミックまで、パワートレインの設定を選べる “アウディドライブセレクト” は素の1.4TFSI以外のQ3が標準装備する。
試乗が箱根の山道を主としていたため、筆者はもっぱら “ダイナミックモード” で走り回った。その印象が「よく曲がる」である。スポーティヴネスを意識した、235/50R18のブリヂストンのSUV用タイヤも貢献しているに違いない。乗り心地はアスリートの筋肉のごとくしなやかで、硬めではあるけれど、ラフなところがない。洗練されている。ロールは違和感なく押さえ込まれ、長尾峠のような小さなRの連続をまったく苦にしない。苦にしないどころか、歓びとする。スイスイ曲がる。安定して曲がる。過敏に過ぎない。
180psの直噴エンジンはアクセルオフにすると、空気を送り込んでいるような感触がある。そういうとき、これは現代の高効率ユニットなのだ、と意識する。踏めば、トルキーで、32.6kg-mは1620kgの車重をスイスイ登らせる。6000rpmまで滑らかに回り、高回転域では乾いたサウンドを控えめに発する。音質に雑味がない。澄んでいる。クールである。