スズキ・アルト・ラパン

公開 : 2015.06.22 23:50  更新 : 2022.12.12 21:29

■どんなクルマ?

オンナ心を盗むアルト・ラパン3世なんである。ご承知のごとく、ラパンはフランス語で ‘怪盗’ ではなくて ‘ウサギ’ の意であるけれど。

初代ラパンの登場は2002年。“身近な雑貨や家具のような愛着のもてる道具” として発想され、08年発売の2代目にバトンタッチ、13年間で累計販売台数は64万台に達している。そのうち90.2%のユーザーが女性で、さらにその半分以上を20〜30代が占めている。

ということもあって、ルパン3世、じゃなかったラパン3代目では女性開発陣によって、女性が求めるクルマ像の調査/分析を行った。

じつはこれまでも調査まではしていたけれど、今回はそれを徹底的に反映させた。かくして、‘まるしかくい’ ‘ぬくもりのあるデザイン’ が生まれた。

インテリアは ‘わたしの部屋’ がモチーフで、木目調のダッシュボードはカフェのカウンター、レトロな文字盤のメーターは置き時計、シートはミドセンチュリーの家具、と実物をお手本にしつつ構想された。

シンプル&モダンでオシャレな新型ラパンの内装は、明快なコンセプトが明快なデザインを生み出した好例ともいえるし、戦後70年、豊かな日本の暮らしのなかで磨かれて来た女性の生活者目線が世界水準にあることの証ともいえるのではあるまいか。

記事に関わった人々

  • 今尾直樹

    Naoki Imao

    1960年岐阜県生まれ。幼少時、ウチにあったダイハツ・ミゼットのキャビンの真ん中、エンジンの上に跨って乗るのが好きだった。通った小学校の校長室には織田信長の肖像画が飾ってあった。信長はカッコいいと思った。小学5年生の秋の社会見学でトヨタの工場に行って、トヨタ車がいっぱい載っている下敷きをもらってうれしかった。工場のなかはガッチャンガッチャン、騒音と金属の匂いに満ちていて、自動車絶望工場だとは思わなかったけれど、たいへんだなぁ、とは思った。

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