マツダ・ロードスター2.0
公開 : 2015.06.22 23:40 更新 : 2017.05.29 19:13
マツダはこれまでのなかで最良の電制アシスト・ステアリングを開発した。クイックでありながらオフセンター付近も正確。ドライバーを歓喜させる正確性を確保しながら、速度に依存しない精緻さを携えている。
2.0ℓになることによって重くはなっているものの、鼻先はことのほか軽く、明確に先代より身のこなしは軽快になった。
アクセルをどれくらい踏み込み、あるいはどれくらい緩めれば、どんな挙動を示すのか。細やかに調整しながら、思ったとおりに向きが変わる体験は、普通あまりできない。
ビルシュタインのアシに変わったことで、ボディの動きを極力抑えたうえで、コーナリングをこなすかと思いきや、意外にシャシーはデリケート。ロールをわずかに許容する性格である。
ただこのセッティングは実に絶妙。1.5ℓよりは硬いものの、フランスのテスト・ルートでは、バンプやキャンバー、ジョイントを最低限の動きにサラリと抑えこむ。
£850(17万円)を追加投資したからといって、ギュッとハンドルを握っていなければおっかなくなってしまうほどのパワー増強がなされていないのは事実だが、出力増加分は確かに感じ取ることができる。
1.5ℓよりも低い回転域からトルクが湧きあがるおかげで、スロー・コーナーの脱出時でも速い速度域に素早く復帰できるのもいい。
2.0ℓユニットそのものはもう少し煮詰める必要があるし、6速MTもこのユニットに合わせた煮詰めが必要だということは否定しないが、現時点でもプッシュすればするほど喜んで応えてくれるエンジンであることは間違いない。リア・タイヤの高いグリップ力も頼れる存在だ。