ミニ・ジョン・クーパー・ワークス vs アウディS1
公開 : 2015.06.23 23:50 更新 : 2017.05.29 19:32
軽いことは悪いことではないが、軽さが使いやすさにまったく結びついていないのがマズイ。
ミニのステアリングの方が重く感じられるかもしれないが、ミニは同時にクイックでもある。イニシャル・インプットに対してアウディは反応することを拒んでいるようにも感じられる。
インギアの瞬発力はミニの勝利。一方、アウディは5.1kg-mのエクストラ・トルク分を利して、そこからの伸びで稼ぐ。本当に速い。
S1は高速域でさえ加速の終わりが見えず、2.0ℓ 4気筒ターボは強力な押し出しを見せつける。0-100km/hタイム=5.8秒という数値も簡単に出せそうだ。
今どきナビがオプションというのは考えものだが、インテリアの質感も100点満点。
ただホットハッチとしてのトータルのバランスを考えるとラウンド1はミニが勝利した。
ラウンド2の天気は晴れ。サレー・ヒルズからメイデンヘッドのガス・スタンドまでは、クルマの少ない峠道をゆく。気持ちのいい日だ。
S1の鼻先におさめられたEA888型エンジンは、控えめに唸りながら、極めてリニアに回っている。エンジンそのものの存在感の薄さについて、既にわれわれは指摘済みだが、むち打つエンジンというよりも、そっと力を引きだす類だ。
ホットハッチといえども、うっかり触れてしまって大やけどするほどではない。きっとサスペンションの懐の深さ(派手に喧嘩しない)も影響しているのだろう。ガツンとブレーキを踏み込んで、コーナーに飛ぶこむ必要もない。