ジャガーE-タイプ・ライトウエイト

公開 : 2015.06.24 23:40  更新 : 2017.05.29 18:37

エンジンは、ドライサンプ。ワイド・アングル・ヘッドにアロイ・ブロック……と、これまた古典的。XKストレート6の排気量は3868ccとなる。イースト・サセックスをベースとするエンジニアリング・ファーム、クロスウェイト&ガーディナーによるものだ。

カスタマーはウェーバーのキャブレター仕様か、ルーカスによる機械式フューエル・インジェクション仕様を選べる。最高出力は前者が “304ps以上”、後者が345ps/6000rpm、38.7kg-m/4500rpm、レッドラインが6000rpmからとなる。

ギアボックスはオール・シンクロメッシュの4速。ホイールはお馴染みのデザインのセンター・ロック式15インチ・アロイを採用している。前輪の幅は178mm、後輪は203mm、銘柄はダンロップCR65レース・タイヤとなる。溝のラインまで往年のモデルとそっくりだ。

ナバラ州のサーキットを90分走らせたところ、キャブレター仕様の ‘Car Zero’ と、インジェクション仕様の ‘Car One’ のあいだに明確な違いがあることが印象的だった。

小さく、流れるようなボディ・ライン、露出したリベットを見ると、スーパーマリン・スピットファイアを思い出した。

コックピットは当然ながらタイト。ダッシュボードのレイアウトはE-タイプそのものだ。キーを捻り、下のトグル・スイッチのひとつを弾いてアロイ・タンクから燃料を引きだす。現代のクルマのようにディナー・プレートのようなボタンではなく、いかにも古典的なボタンを押し込むと、エンジンがひと吠えする。キャビンに振動が伝わってくる。

空吹かししてみると瞬時に回転があがる。エグゾースト・ノートにも、無駄な演出はない。極めて硬派だ。シートはとても低い位置にあり、柔らかい踏み心地のクラッチ・ペダルとギアレバーとの位置関係もしっくりとくる。かなり回転を上げてやらなければエンストしそうだ。わずかな差ではあるがスムーズに発進できるのはインジェクション仕様の方だ。

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