アルファ・ロメオ・ジュリア、ベールを脱ぐ
公開 : 2015.06.25 22:50 更新 : 2017.06.01 02:09
現行ユニットは1750ccから238psを、最大トルクはわずか2100rpmから35.9kg-mを引きだすことができる一方、次世代ユニットは同排気量から302ps程度を引きだすようだ。また、この最新ユニットはフェラーリからのデビューが予定されている新型ディーノにも搭載されるのではという噂もある。
プリプロダクション版の製造が開始するのは今年の9月頃と予想されており、新しいサルーンのためにフィアット-クライスラーは200,000ユニットを生産したいとしている。
ジュリアのプロジェクトが初めて確認されたのが2009年。製品化の時期が予想され始めたのが2011年。そして2013年、アルファ・ロメオのボスであるセルジオ・マルキオンネが、ジュリアのスタイリングを好まず、同時に生産上の問題点も浮き彫りになった。
ジュリア・プロジェクトに集中するため、ラグジュアリーSUVの計画は白紙に戻ったと考えられているが、マセラティ・レヴァンテの製品化が濃厚になった今、再始動する可能性も無きにしもあらずのようだ。
ジュリアの話に戻ろう。
159の後継として、まず優先されたのは ‘質感’ である。美しさ/濃厚なキャラクターを両立するためのキーともいうことができる。またドライビング・エクスペリエンスを向上するために可能なかぎり。ドライバーを車体中央部に置くように設計されているのだという。
ウェスターいわく「単なる移動手段ではなく、運転を楽しむためのクルマであることを強調したいです。オーナーにはジュリアを ‘なくてはならないマシン’ だと感じてほしいのです。したがって動的な完成度は、われわれがもっとも注意を払った部分といえます」
ジュリアの開発は、場所はもちろんのこと、携わったエンジニアの数もかなり限られていたのだそうだ。ただし販売が開始されれば、さらに600人の従業員を追加する予定だという。
なかなかの規模のプロジェクトであるがウェスターの心境はかなり落ち着いたもので「われわれは激しい競争のなかで生きています。心を落ち着けていられるのは、ジュリアはターゲットとしているライバルよりも明確に優れているからです」と胸を張る。
「アメリカ市場にはドイツの御三家とレクサスがありますが、それらに打ち勝とうとすること自体がナンセンスです。カスタマーが何を欲しているかを観察すれば、誰が勝つかは明らかです」
販売開始直後はセダンのみの展開となるが、その後すぐにワゴン・タイプも加わる予定。ミト/ジュリエッタ/4C/4Cスパイダーとならぶ標準ラインナップとなる。
ただ先述のとおり、さらなるニュー・モデルが加わるプランもあり、去年のミシガン州にてウェスターは「世界的なラインナップ展開のために、クラス最上のFR/4WDアーキテクチャーを煮詰めています」とも語っている。
またマルキオンネも「将来的には、アルファ・ロメオのほとんどのモデルが後輪駆動になるでしょう」ともコメントしている。
しかしながらジュリエッタの公開ののちに、ミトが所属するサブ・コンパクト・カーのマーケットからは手を引く予定だ。
その代わりにジュリアが属する、フル・サイズ・サルーン市場を開拓し、さらに2種のSUVを追加し、アルファ・ロメオ4Cが属するスペシャリティ・マーケットにも注力するようだ。
また新型モデルのうち、上級グレードにはクアドリフォリオのエンブレムを採用するというプランが決定しているようだ。
将来的なエンジン・ラインナップは3種のガソリンと2種のディーゼルとなる予定。ガソリンのうちの2種は4気筒、1種はV6となり、ディーゼルは4気筒のみに絞られるとのこと。
投資家向けのプレゼンテーションでは、ブレラ/159/スパイダーの世代に関して「アルファならではのDNAが欠如していた」と説明したうえで「ドイツのライバルに水をあけられたのも理解ができる」というコメントを残している。
このDNAに関してアルファは「先進的かつ革新的なエンジン、そしてパーフェクトな50:50の重量配分、クラスを凌駕する出力重量比、息を呑むような個性的なデザイン」と定義している。
まずアルファ4Cが、このDNAを再定義したわけだが、今後のモデルもアルファのDNAを強く受け継いでいると、アルファ・ロメオは自信をもって答えてくれた。