フォルクスワーゲン・パサートTSIハイライン

公開 : 2015.06.29 10:56  更新 : 2022.12.12 21:29

これまたシルバーに輝くスターターを押すと、1.4ℓ直噴ターボ・エンジンはごく静かに目覚めて、なりを潜めている。ガソリンは満タンで、800km走行できることがメーター内に示される。

しずしずと走り出すと、たいへん静かで、高級車然としている。タイヤは標準の215/55 R17ながら、路面がうねっていたりすると、低速時に若干ブワブワする。速度を上げると俄然フラットになり、素晴らしくよくなる。可変ダンピングの類いは備えていない。

エンジンはゴルフTSIハイラインの1.4TSIと較べ、最大トルク25.5kg-m/1500-3500rpmの数値はそのままに、最高出力のみ140ps/4500-6000rpmから150ps/5000-6000rpmへと引き上げられている。ターボが効きはじめてしまえば、スムーズでトルキーである。

車重1480kgと、サンルーフ付きでも1.5トンを切る軽量ボディを軽々と加速させる。1.4ℓとは信じられない仕事ぶりで、走り出したら即座にアウトバーンを巡航する、というような交通環境だったら最適に違いない。

■「買い」か?

もしあなたが、たまたま新型パサートについて知りたくて、たまたま本サイトを訪問した方であれば、迷わず「買い」と申し上げたい。この価格にして驚くべき ‘先進の安全装備’ がてんこ盛りになっている。お買い得感に満ちあふれている。

たとえば、レーダーとカメラで前方を監視して、自動的にブレーキを作動させるVW初の、a:‘Front Assist(歩行者検知対応シティ・エマージェンシー・ブレーキ機能)’、b:365km/h以上で走行中に車線を逸脱すると自動的に補正する ‘レーン・キープ・アシスト・システム’、さらに ‘世界初’ の c:‘渋滞時追従支援システム’ など、自動運転につながる最新ハイテクを標準で装備する。

記事に関わった人々

  • 今尾直樹

    Naoki Imao

    1960年岐阜県生まれ。幼少時、ウチにあったダイハツ・ミゼットのキャビンの真ん中、エンジンの上に跨って乗るのが好きだった。通った小学校の校長室には織田信長の肖像画が飾ってあった。信長はカッコいいと思った。小学5年生の秋の社会見学でトヨタの工場に行って、トヨタ車がいっぱい載っている下敷きをもらってうれしかった。工場のなかはガッチャンガッチャン、騒音と金属の匂いに満ちていて、自動車絶望工場だとは思わなかったけれど、たいへんだなぁ、とは思った。

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