ベルギーで行ったテスト当日は、路面が雨でじっとりと濡れていたためグリップ・レベルを見極めることは難しがったが、そんなコンディションにもかかわらず、フロント・エンドが足元をすくわれることはなかった。

総合的な感想としては ‘けれどもやっぱりフォーカスやゴルフほど楽しいわけではない’ といったところ。

そう感じるのは、初期のボディ・ロールがいささか大きすぎるし、コーナー中腹では一旦落ち着くものの、決して ‘元気がでる’ だとか ‘おもわず笑顔になれる’ というものではないからだ。

一方の乗り心地は明らかによくなっている。大きい方の17インチ・ホイールを履いているにもかかわらず、大方の路面の凹みも丸っと飲み込んでくれる。ウインド・ノイズやロード・ノイズの類も、きちんと抑えられていることがわかる。

シートの調整幅が大きいのもいい。180cm前後の大人が乗っても不快に感じない点もいい。もちろん後席は期待すべきではないが……。

スマートな素材の使い分けからキャビンの質感を真剣に考えていることもわかる。ただちょっと退屈だ。その反面あたらしい7.0インチのタッチスクリーン・インフォテインメント・システムの使い心地は、先代よりすこぶるいいと感じた。

■「買い」か?

きちんと改善しているが、なにせこのクラスには実力者がとても多い。

そして、覇者の完成度には及んでいない。

ただ、トヨタの誇る底知れない信頼性と5年保証は間違いなくトップ・レベルである。

では運転して楽しいのだろうか？ われわれはフォーカスやゴルフを選ぶだろう。

(ジョン・ハウエル)

トヨタ・オーリス1.2ターボ

価格	£18,279(353万円)
最高速度	200km/h
0-100km/h加速	10.1秒
燃費	20.9km/ℓ
CO2排出量	112g/km
乾燥重量	1350kg
エンジン	直列4気筒1197ccターボ
最高出力	116ps/5200-5600rpm
最大トルク	18.8kg-m/1500-4000rpm
ギアボックス	6速マニュアル