TVR、今月後半からデポジットを受付け
公開 : 2015.07.02 22:40 更新 : 2021.02.17 17:44
2017年にTVR復活のニュースは以前お伝えしたが、今月後半よりこのTVRを予約するためのデポジットを受け付けるという。というのも、ポジティブな反応が多かったため、当初よりも遥かに早くオーダーを受け付けることにしたのだという。
そのステートメントでは、「スポーツカー・エンスージァストにとってここ10年で最も刺激的なクルマの登場に、既に多くの人々が列をなしている。」としている。デポジットの金額は£5,000(96万円)だ。
TVRのオペレーション・ディレクターであるジョン・カーシーは、「新車に対する反応に驚かされた。ニュースが発表されるやいなや、われわれの電話回線はパンクしそうになり、オンラインによる問合せ窓口もダウンしそうになったほどだ。実際の生産に際しては、この部分の再構築も必要となると感じたほどだ。」と語った。また、CEOであるレス・エドガーも、既に多くの人間がデポジットを払うことを宣言したことを確認している。
ほぼ10年のブランクを後復活するTVRは、ゴードン・マーレーが設計にあたり、エンジンにはコスワースV8が搭載される。TVRは復活後、2017年からの10年間の間に、少なくとも4台のニュー・モデルを出すと約束している。
ボリュームはまだ決定していないが、数年後には1年につき1,000台から1,500台のレベルに達すると予想される。しかし、TVRは2017年については、何百台の下の方とコメントしている。
「これは英国の自動車界にとっても、素晴らしい復活劇である。」とTVRのオーペレーションズ・ディレクターのジョン・チャシーは語っている。「わわれれは非常に経験豊かな管理チーム体制と、ビジネスの到達点のはっきりした10年計画を持っている。そして、それに対する出資も確保している。」とも語った。
特に、ル・マンにおいてエドガー、チャシー、マーレーの3人の関係性が高い。従って、まだデビューしていないこのモデルもレースへの参加を考えているようだ。
クルマをどこで製造するかは未決だが、現在の活動拠点であるギルフォードの近くになりそうだ。エドガーも、新しいTVRが英国国内で生産されることを確約している。
現在12名以上いるといわれている新生TVRへの出資者は、2年前にロシアのニコライ・スモーレンスキーからTVRを買収することに成功した。プロフィールと価格については、新しいTVRが過去のTVRのマーケットと同一であることから、同じようなターゲットとすることとなろう。
現在、2つのモデルが設計されている。クーペとコンバーチブル・ボディを持つもので、タスカンやサガリスのようなサイズになる。しかし、その基本コンストラクチャーは、まったく一新されている。ゴードン・マレー・デザイン(GMD)の手によるもので、過去から引き継いだものはまったくない。
エンジンはフロント・ミドシップで、リア・ホイール・ドライブ。ギアボックスは6速マニュアルで、4輪独立のサスペンションを持ち、ドライバー・フォーカスのインテリアを持つ。
また、この新しいTVRは、GMDのユニークなiストリーム・マニュファクチャリング・プロセスを採用する最初のモデルでもあるという。これは、キャビン、パッケージ、シャシー剛性、対クラッシュなどで高い性能を持つと共に、組立自体の工程を単純化するというものだ。
シャシーのメインは、大径のスティール・チューブで、これに超軽量なコンポジット・パネルが貼られる。この工法は、マーレーT25、T27に用いられたもので、衝突テストにおいて目覚ましい結果を残すほどの剛性を確保した技術だ。その外板パネルの素材は未だ決定されていないが、アルミニウムとのコンポジットになると思われる。
また、エンジンはコスワースのV8が予定されている。フォード・マスタングの4951ccユニットをベースにしたもので、パワーは恐らく450〜470psになると思われる。ボディ重量は1100kg程度で、0-100km/h加速は4.0秒以下、そしてトップスピードは298km/hと予測される。
2017年に登場するこのモデルは,英国と北ヨーロッパでまず最初の販売が計画されている。
スタイリング
ピーター・ホイラーによってデザインされた評判の高い前のTVRと同じようなディメンジョンを持ち、モダンなデザインとなる予定。旧いシェイプにはこだわらないが、そのDNAはしっかりと受け継がれる模様。
モデル名
まだ何も決まっていない。TVRのCEOによれば、グリフィス、タスカン、グランチュラといったアイコニックなネーミングも考えられるが、T350のような英文字と数字の組み合わせも考えているという。AUTOCARでは、グリフィスの復活に望みをかけたいのだが。
シャシー
チューブラー・スチール・フレームに、ゴードン・マーレーのiストリーム工法によるパネルが貼られる。サスペンションはダブルウィッシュボーンで、パワー・ステアリングとレース・スペックのディスク・ブレーキが採用されるだろう。
ボディ
メインのパネルはコンポジット・マテリアルになる。しかし、アルミニウム・コンポーネンツも使用冴える模様。乾燥重量は1100kg前後を予定している。
エアロダイナミクス
フラットボトムの シャシーと、フロント・スピリッター、リア・ディフューザーがオンロードでのダウンフォースを稼ぐ。レース・バージョンでは更に強化される予定。最初のデザインは、CFDでスケール・モデルでテストされている。
パワートレイン
まだ明らかでないが、フォードあるいはシボレーをベースとしたコスワースが手がけるV8になる模様だ。それらの中でも順当に予想するのであれば、ベースとなるのはマスタング用の4951ccユニットだ。標準で420ps。これが、450psから480ps程度にチューンされると思われる。ギアボックスは6速マニュアルが搭載される。
パフォーマンス
450psプラスのエンジン・パワーと1100kgのボディ重量との組み合わせで遅いわけがない。0-96km/h加速は4.0秒以下、そして最高速度は298km/h以上になる。また、ライトウエイト・バージョンも設定されるかもしれない。
ダイナミクス
ドライサンプ・ユニットは、フロント・ミドシップに低く搭載される。そのため、フロント47、リア53の重量配分を持つとされる。TVRは、まだどんな電子デバイスを持つかは決定していないが、法律的な面からESPとABSは標準となろう。
価格
TVRは9年前に姿を消したとき、メインのモデルは£40,000(770万円)、そして最も高価なモデルは£57,000(1,080万円)だった。新しいモデルは、およそ£80,000(1,540万円)程度で、エントリー・レベルのモデルが£60,000(1,150万円)からとなりそうだ。
▶ Motoring Month / ティーンエイジ・フリーダム ーー スティーブ・クロプリー 英国版/編集長
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