ランチア・デルタ・インテグラーレ復活なるか
公開 : 2015.07.03 22:50 更新 : 2017.06.01 02:09
何人かのフィアット・クライスラー・オートモビルズの上級取締役は、ランチア・ブランドを消滅させてしまうのではなく、新たにデルタ・インテグレーレを製作し、ランチアのネーミングを復活させることを要求しているという。かつて高い評価を受けたモデルの復活は、高い次元での話し合いが行なわれているのだと、情報筋は漏らした。しかし、ランチア・ブランドをフル・ラインナップで復活させようということではないらしい。あくまでもデルタ・インテグラーレのみを復活させようというものだ。
しかし、その一方で、フィアット・クライスラーの大部分の経営陣は、デルタ・インテグラーレを復活させてランチアのネーミングを再び世に送り出すことは間違いであると考えているようだ。
FCAのCEO、セルジオ・マルキオーネはどう考えているのだろうか。どうやら感傷的にランチア・ブランドを見ているような部分は感じられない。それでも、彼にはアルファ・ロメオ・ブランドを復活させた実績もある。とはいえ、デルタ・インテグラーレという単一モデルの復活は必要のないものと見ているようだ。
従って、現在のところ、否定派が多数を占めているようだが、果たしてこの先、どのような展開になるのだろうか。
いうまでもなく、オリジナルのデルタ・インテグラーレは、46のWRCで勝利をおさめ、6年間、マニュファクチャラーズ・タイトルを獲得した名車だ。しかし、その後ランチアは、このデルタをエグゼクティブなモデルに転向させる計画を立て、1993年にデビューさせた第2世代と、そして2008年にデビューさせた第3世代には、インテグラーレのようなスポーティなモデルは設定されなかった。また、エグゼクティブなモデルにしたいというランチアの策は見事に失敗している。
しかし、最終モデルである1994年のデルタHFインテグラーレ16VエボルツィオーネIIがリリースされた後、デルタ・インテグラーレはコンピュータ・ゲームの中で行き残る。1日につき10万人がアクセスするという発売されたばかりのソニーPS4用のグランツーリスモ6でも、デルタS4やストラトスと共に、デルタ・インテグラーレは人気のモデルとなっている。グランツーリスモ・シリーズで考えれば、過去15年ほどで100万人を超える人が、デルタ・インテグラーレの仮想ステアリングを握った勘定だ。