メルセデス・ベンツCLA180シューティング・ブレーク・スポーツ
公開 : 2015.07.06 23:50 更新 : 2017.05.13 12:50
■どんな感じ?
FF系のメルセデスじゃ、ちょっとプレミアム感がたりない、というか “威張れない” という日本のガイシャ好きの嗜好をプロファイリングして編み出された1台。とはいえすでにAクラス系のFFメルセデスは日本の販売台数の3分の1を占めており、メルセデスの若返り政策は着実に実を結びつつある。
実車をチェックしてみると、リアの荷室はメルセデスが主張するほど広くは感じられないが、特に使い勝手に問題はなさそう。むしろベースモデルを除いて、このクラスには珍しい自動開閉テールゲートが標準で備わるので、その部分で感化されてしまう人が多いのかも。
リア・シートの座面や足元スペースの寸法は4ドア・クーペのCLAに準ずるが、ワゴン化したことでヘッド・クリアランスは増しており、CLAより4cmほど高くなっている。結果としてCLAよりも幾分ゆったりとした室内スペースが確保されている。
今回メインにドライブしたモデルはCLA180のスポーツだったのだが、そのドライブフィールはクルマ全体がきっちりと引き締められた感があり、駆動方式を勘付かせない秀逸なものだった。運転席はAピラーからルーフに張り出す構造材がかなり内側に迫ってきており、はっきりと閉塞感が感じられたが、CLAの性格を考えればこれは当然なことで、包まれ感とかコクピット感とかポジティブな言葉に変換されるべきものだろう。また乗り心地に関しても、あまりストローク感がなく、スポーティな割には当たりが柔らかく、3名乗車ではしっかり “ファミリーカー” と呼べるしっとり感を帯びていた。
一方少しハイペースで走らせると、ボディの消音がいまひとつなのか、エンジンのうなりとタイヤのパターンノイズが気になった。あと後席もスペース的には充分だが、前席よりはいくぶん騒がしく感じられた。
今回はCLA250シュポルトも試乗できたのだが、こちらは重厚なドライブフィールの完成に4駆システムが大きく寄与しており、明らかに1クラス上のモデルに乗っていると実感できた。もっとも、545万円という価格を考えると、Cクラスの中級グレードも視野に入ってくるので、1グレード上は当然なのかもしれない。