メルセデス-AMG C63
公開 : 2015.07.07 23:50 更新 : 2021.01.30 21:38
■特徴
“A45の1991cc×2=C63のV8 3982ccツイン・ターボ である” ― ルイス・キングストン (シニアテスター)
メルセデスは、最新のCクラスをつるりとした優美なクルマに仕立てあげた。したがってC63も、おおよそのホット・モデルに期待されるような、大型のブリスター・フェンダーなど、あきらかに ‘それ’ とわかるような演出が施されてはいない。
代わりにAMGは、新しい前後バンパーを与え、フロント・バンパーをほんのりと大きくした。サイド・シルも大きくし、ボンネットもエンジンの大型化に合わせて膨らみをもたせた。ただもう一度言うが、あえて人目を引くような行為は慎んでいるように見える。
AMGだということを思い出させるのは、4本出しマフラーが発するゴロゴロといったエグゾースト・ノートくらいのものである。
3982ccのV8ツイン・ターボ・ユニットは、A45が搭載する1991ccのクローズド・デッキ4気筒ユニットを、(ざっくりといってしまえば)2つ組み合わせたものだ。ドライサンプのメルセデス AMG GTのエンジンがM178型と呼ばれるのに対し、C63が搭載するウェットサンプのエンジンはM177型と呼ばれている。
‘one man, one engine (ひとりのマイスターがひとつのエンジンを) ’ のスローガンはC63でも共通。優れた素材と先進的なテクノロジーを掛けあわせて作られたユニットである。ピストンは鍛造アルミニウム、シリンダー・ヘッドはジルコニウム合金となり、ターボチャージャーはバンクの内側にセットされている。
エンジンが紡ぎだすパワーは、徹底的に改良された7速スピードシフトMCTを介して後輪に伝えられる。このギアボックスは7G-トロニック・トルコンATをAMGが改良したものだ。
C63 Sには電制のロッキング・デフが組み合わされるが、テスト車両のようにスタンダードなC63は機械式のデフが組み合わされる。基準車のシャシーをモディファイしたものを使用するのは両バージョンともに同じ。車高は25mm下がり、全幅は31mmワイドになっている。
リアのホイール・ベアリングはAMG専用。よりネガティブ・キャンバーになっている。スプリングは締めあげられ、スタビライザーはすべて径が大きくなっている。可変ダンパーは3段階に調整でき、ブッシュも硬くなっている。
標準のホイールは18インチ、ディスク・ブレーキ径は360mmとなる。C63 Sの場合は19インチ、フロントのディスク系は390mmとなる。£4,285(83万円)を支払えばカーボン・セラミック・ブレーキにアップグレード可能。AMGエグゾースト・システムは£1,000(19万円)のオプションとなるが、これに関しては標準にすべきだと思う。