ケーニグセグOne:1

公開 : 2015.07.09 23:40  更新 : 2017.05.29 18:33

組み合わせるギアボックスはシングル・クラッチ式のセミATだ。例に漏れず、低速域の変速はぎくしゃくとしたものだが、高速域では歯切れのいい変速を行ってくれる。

なめらかかつ、雨に覆われたサーキットのうえでは、タイヤと路面上の摩擦がなくなったかのように感じられるほど空転することがある。試しに100km/h、3速時でグッとアクセルを踏み込んでみると、それでも完全にグリップを失う。ちょっと死の世界をみた気分だ。

そのためスタビリティ・コントロールはかなりの頻度で介入する。しかしながらOne:1の常軌を逸したパフォーマンスを考えると物足りないと私は思う。

アクセルを踏めば踏むほど、コクピット後方から轟音が聞こえてくる。前方のパワー・ゲージは600psにさえ及んでいないのに、ムチ打ちになりそうだ。最高出力の半分でしかないのに……である。

一般道に場所を移すと、サーキットを主体としているクルマであるにもかかわらず、(意外にも) ‘ふつうに’ 走らせることができる。

まずサスペンションがうまくハーシュネスを丸めこんでくれること、そしてステアリングが切れ味鋭いながらも法定速度内の走行を許容できることが理由だ。ロータスエキシージのステア・フィールを思い出した。

翌日の明け方は、分厚い雲が垂れこめていたが、雨はすっかり止んでいた。われわれを恐怖に陥れた路面の水たまりも消えていた。

2速を選んで発進。やはり強烈なトルクのおかげでリアは一瞬にして落ち着きを行う。しかし昨日ほどではなく、反応も力強い。3速から4速へ。スタビリティ・コントロールは介入しつづける。

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