ジャガーXE
公開 : 2015.07.10 23:55 更新 : 2017.05.29 18:37
■インテリア
“USBとAUXソケットは中央のアームレストの下に隠されているから、クルマから離れる際も盗難防止のためにデバイスやケーブルを隠す必要はない” ― マット・プライヤー (ロードテストエディター)
多くの自動車メーカーがそうするように、XEのインテリアも極めてシンプルなものとなる。ダッシュボードが大型のタッチスクリーンに占領される点も同じだ。
タッチスクリーンの周辺には、ショートカット用の8つのボタンが配されている。同じサーフェスには、他のボタンスイッチが思慮深い選定を受けたあとに、行儀よく上下2列に設えられる。
すべてのボタンがどのような目的のためにあるのかは分かりやすく、とてもロジカルな配置になっている。したがってタッチスクリーン上を行き来しながらエアコンの温度設定を変える必要もない。
もう少し独自のキャラクターも望みたいところだが、少なくとも使い勝手に優れるだけに、低い評価にはならない。
テスト車はR-スポーツと呼ばれるグレードであるが、ことさらにスポーティネスを押し出しておらず、XFに見られた、ぐるりと回転するエアコンの吹出し口や電気仕掛けのグローブボックス・オープナーも見られない。
要するにあっと言わせるようなマジックは見当たらないが、それぞれの要素の配置やマテリアルの選択に、かなりの時間が注がれているのだ。
ドライブ・セレクターは、センター・トンネルからスッと上がってくる円形状となり、電制のハンドブレーキ・スイッチとあわせて、大幅なスペース確保に役だっている。このおかげで2つの大型のカップホルダーを真ん中に作ることに成功。ギア・セレクターのなめらかながら静的剛性を感じさせる操作感も高評価に値する。
ドライビング・ポジションもわれわれを驚かせた点のひとつ。R-スポーツの場合は8ウェイの調整式となり、オプションで10ウェイと14ウェイも選べる。いずれもステアリングやペダルとの位置関係に優れ、座面がもたらす心地よさやサポート製の高さも申し分ない。ステアリングの可動域も大きい。
対する後席は、前席ほどの驚きがない。同クラスを牽引するモデルたちは、もう少し広い印象だ。差はほんの数センチであるうえ、多くのユーザーは子どもを乗せることが多いため、あまり困らないという声も聞こえてきそうであるが、念のためにここに書き記しておく。
£400(7万6千円)を支払えば、後席を40:20:40の比率で分割することも可能。シートを立てた状態の荷室容量は455ℓ。こちらもほんのわずかな差ではあるが、同クラスの首位モデルたちには一歩及ばず、しかしながら標準よりは大きいといった具合だ。ちなみにBMW 3シリーズやメルセデス・ベンツC-クラスの容量は480ℓである。