R-スポーツならば、スポーツ・サスペンション、他とは異なったデザインの18インチ・アロイ・ホイール、レザー・シート、リア・スポイラー、スポーツ・ステアリングも追加され、内装のアルミニウム・トリムの面積も増える。

トップ・グレードにあたるSトリムならば、340psの3.0ℓスーパーチャージドV6や可変ダンパー、19インチ・アロイ・ホイール、‘S’ ボディキット、さらに豪奢なインテリアの仕上がりとなり£44,870(842万円)となる。

ナビやクルーズ・コントロール、デュアル・ゾーン・エアコン、DABラジオ、ブルートゥース接続、リア・パーキング・センサーは全てのグレードにて標準。メリディアンのオーディオ・システムは£500(9万4千円)、ヒーター付きステアリング・ホイールは£185(3万5千円)となる。

BMW 330dに匹敵する、ハイ・パフォーマンス版のディーゼルに対する言及はまだないが、既存ユニットの43.8kg-mという数字も大したものだ。効率性を考えれば、なおさらである。

それだけにガソリン車は、BMW 320iや328i(両者ともに2.0ℓ 4気筒)の競争力に及ばないのが惜しい。またCO2排出量も二の次になっている感は否めない。

改善策がはあるようなので、今後の動向に期待する。

■「買い」か?

“ジャガーは、戦いで勝ち抜くことのできる有力なモデルを完成させた” ― マット・プライヤー (ロードテストエディター)

Good：トップ・レベルの乗り心地とハンドリング、高品質なインテリア、競争力の高いパフォーマンス
Bad：ガソリン・エンジンのCO2排出量、ライバルよりも小さい後席スペース、荷室容量も小さい

これまでの3年間、おすすめのコンパクト・サルーンは? と聞かれれば、BMW 3シリーズと答えていた。

しかし今や、ジャガーXEのインテリアはBMW 3シリーズに劣らないうえ、ほとんどの状況でXEの方が運転していて楽しい。アウディA4やメルセデス・ベンツCクラスを上回っていることは言うまでもない。当然レクサスやインフィニティもジャガーに勝つことはできない。

もっとも賞賛すべくは、ジャガーがビッグ3たちに真っ向勝負を仕掛けたことだ。一風変わったクルマを作ることで人々を振り向かせるような、小手先の技を使わなかったのだ。インテリアの質感や動力性能の高さを見ると、そのような手段を選択した理由がわかる。要するにジャガーには自信があったのだ。

初期段階ゆえ、4気筒のディーゼルとガソリン・ユニットには改善の余地が残っているが、現時点での能力は高い。

おすすめのコンパクト・サルーンは? ともう一度聞いてほしい。これまでの3年間とは異なった返事をするだろう。