マツダCX-3 XD/XDツーリング Lパッケージ

公開 : 2015.07.13 23:35  更新 : 2021.10.11 09:10

これはデミオでも、そしてもちろん過去にCX-3を試乗した時にも感じたことだが、ともかくマツダ製の、この小排気量ディーゼル・ターボ・エンジンは、そのフィーリングが魅力的だ。

デミオに対して、車重が若干増加しているという事情もあるのだろう、アクセル・ペダルを踏み込んだ瞬間のレスポンスは、多少物足りなさを感じさせるものの、この一瞬を我慢すれば、その先の加速感は実にダイナミックだ。

ちなみにマツダは、ディーゼル・ノック音を低減させるために、ピストン・ピンにダンパーを組み入れる、‘ナチュラル・サウンド・スムーザー’ を ‘XDツーリング’ と ‘XDツーリングLパッケージ’ にはオプション設定しているが、それが備わらない ‘XD’ でも、確実にその有無による違いはあるものの、ノック音を特に不快に感じるような場面はなかった。

そして5000rpmからのレッド・ゾーンに向けてのスムーズな吹け上がりも、このエンジンの大きな魅力となっている。

16インチ・タイヤとの組み合わせは、事前の予想とは裏腹に、まったく魅力を感じさせないばかりか、今回の試乗では欠点ばかりがクローズ・アップされることになった。

タイヤのウォール剛性にも大きな問題があるのだろう、路面のうねりによって、車体は左右方向に大きく揺られ、また乗り心地も相当に硬く感じる。コンパクト・サイズのクロスオーバーSUVを購入しようというカスタマー層が、このような乗り心地を好むわけはない。

マツダはクロスオーバーとしてのCX-3の個性を、スポーティーな走りによって追求しようとしたようだが、だからといってカスタマーに乗り心地を我慢させてもよいという論理は成立しない。

記事に関わった人々

  • 山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。

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