後輪駆動を採用した点は全車共通。もはやスポーツ・サルーンのテンプレートといってもいいだろう。サスペンションは主にスチールを用い、コイル・スプリング×可変ダンパーと組み合わせるインディペンデント・サスを採用した点も共通である。

VXR8が使用するエンジンは、シボレー製のスモール・ブロックV8ユニット。スーパーチャージャーとの共同作業を行う。

対するM3はウルトラ・モダンな3.0ℓストレート6を載せる。リッターあたり約72psを発揮するこれは、ツイン・スクロール・ターボチャージャーを組み合わせる。

2機の個性的なユニットのちょうど間に位置するのがC63といえるだろうか。4.0ℓのV8エンジンは、両バンクの間に2機のターボが押し込まれる。可能なかぎり小さなパッケージングを実現すると同時に、シャープなスロットル・レスポンスがこのエンジンの売りだ。筆者はエンジンが発する雄叫びも気に入っている。

いよいよ発進。

25年前ならば、全開で発進するためには、少なくとも油温やタイヤの空気圧を調べる必要があった。しかし現在では、もっともシンプルなVXR8でさえ、ローンチ・コントロールをセットするだけでなくトルク・ベクトリングやダンパー、エンジン、スタビリティ・コントロールを ‘アングリー’ モードにセットする必要がある。

M3やC63 Sならば、オートマティックやツイン・クラッチ・トランスミッション、電気機械式パワー・ステアリング・システムの設定まで設定し直さなければならない。

VXR8では、センター・コンソール上のゴルフ・ボール台のノブを時計回りに回していけば、スポーツ→パフォーマンス→トラックとモードを変えることができる。