ジャガーXE 2.0d 180ポートフォリオ

公開 : 2015.07.14 23:40  更新 : 2017.05.29 18:37

あたらしい ‘インジニウム’ 2.0ℓターボ・ディーゼルは最高、というのが第一印象であったが、長く乗ると、他ライバルの4気筒ユニットよりも微振動が気になる。またディーゼル特有のエンジン・サウンドもわずかに他より大きめだと感じる。

低中回転域の力強さはかなりのもの。決してトップ・クラスというわけではないが、十分に頼りになる。とても優秀なZF製の8速オートマティック・ギアボックスとも相性がいい。

ダイナミック・モード以上でパドル・シフトによる変速にすると、こちらが変速するまでエンジンは回りつづける。ただ、エンジンが気持ちよく回るのはせいぜい4000rpm以下のところまでだ。

最も褒められるべくは、なめらかで一貫性のあるステア・フィールだ。コーナリング時のバランスは優れ、コントロールのしやすさも特筆すべきレベルにある。落ち着いた乗り心地ともぴたりと合っている。コンパクトなプレミアム・サルーン・クラスのなかではトップ・クラスのハンドリングだと断言するに迷いはない。

テスト車両にはコンベンショナルなパッシブ・サスが組み合わされていたが、より硬質なスポーツ・スプリングと可変ダンパーを選ぶこともできる。ただしオプションを組み合わせずとも、十分に愉しい仕立てであり、動力性能と安定感の両立は、BMW 3シリーズくらいしか肩を並べるモデルはないだろう。グリップの引き出し方もうまい。

ステアリングは中立付近は極めてクイックであるが、さらに切り込んでいくと挙動を予想しやすく、情報伝達量も増えていく。率直さ、安定感、扱いやすさは、多くの小型サルーンを凌駕している。高速道路上のダンピングにも、終始感心させられっぱなしであった。

■「買い」か?

この記事を最後まで読んでくれたということは、あなたはビジネス・サルーンにも動力性能を求めている可能性が高い。仮にもしそうならば、XEは買いだ。単なるサルーンでも面白いほうが良いと思うわれわれと、気が合うのではないだろうか。

実用性とインテリアの質感、機械的な洗練度合いを考えると、BMW 3シリーズのローンチ時ほどの評価を得ることはむずかしいかもしれないが、X-タイプの悪夢を思い出せば、XEの進化は飛躍的だといえる。

費用対効果やドライバー・アピールはジャガー史上最高レベルに達した。われわれはXEに夢中である。

(マット・ソーンダース)

ジャガーXE 2.0d 180ポートフォリオ

価格 £35,425(676万円)
最高速度 225km/h
0-100km/h加速 7.8秒
燃費 23.8km/ℓ
CO2排出量 111g/km
乾燥重量 1565kg
エンジン 直列4気筒1999ccターボ・ディーゼル
最高出力 181ps/4000rpm
最大トルク 43.8kg-m/1750-2500rpm
ギアボックス 8速オートマティック


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