メルセデス・ベンツGLC 250d
公開 : 2015.07.15 23:50 更新 : 2017.05.13 12:50
■どんな感じ?
5人の乗客を収容でき、550ℓもの荷室容量を誇る(Cクラス・ワゴンより60ℓ大きい)GLCは、かなり魅力的なファミリー・カーだといえる。
ちなみにX3の荷室容量は550ℓと同じ、Q5はわずかに劣る540ℓとなる。
シートに腰をおろしてポジティブな気もちになれるのは、ダッシュボードやインストゥルメント、ステアリング・ホイール、独立式のインフォテイメント・モニター、各種スイッチがCクラスと共通するところが多いからだ。
いかにも硬質なプラスティック・パーツが目立つことは否定しないが、全般的な素材の質感はおどろくほど高く、また、どの直線的なライバルよりも優れている。
ドライビング・ポジションに違和感はなく、シートの高さが嵩上げされているぶん視界も良好。クッションは平板な類ではあるが、臀部が痛く感じることもなかった。バックレストのサポートも申し分なく、また横方向に体がズレることもない。
後席は40:20:40で分割可能。真ん中のシートは両脇に比べると小さくなっており、仮に座った場合、センター・トンネルと膝周りのスペースは気になる。ドア・ポケットのサイズは良心的で、この他にもさまざまな部分にドリンク・ホルダーが用意されている。
204psの最高出力は3800rpmにて、51.0kg-mの最大トルクはわずか1600rpmにて立ちあがるおかげで、縦に置かれるエンジンはとてもパンチーかつ、幅広い柔軟性を披露してくれる。
ディーゼルにしては殊のほか静かであり、低中回転域で車内にわずかなノイズを伝えてくる以外は、ディーゼルらしさはほとんど看取されない。
メルセデスが公表する燃料消費率は20.0km/ℓとのことで、X3 xDrive 20dの19.2km/ℓやQ5 2.0TDIの18.9km/ℓという数値に比べると優れた結果となる。標準のガソリン・タンクが50ℓとなるため、理論的には満タン状態から966km走行できる。
9速のオートマティック・ギアボックスはコラム式。インギア時の加速は力強く、細やかかつ幅広くギアを用意しているため、どの速度域でもゆとりがある。
0-100km/hタイムは8.3秒、最高速度は211km/hとなり、コンフォート・モード時の変速はつるりとなめらか。スポーツ・プラスにすると、ダウン・シフトの時にわずかに迷うことがある。新型のギアボックスが特に輝くのはモーターウェイ上である。特に9速に落ち着いたときは、すっかりとリラックスしたクルージングを可能にし、20.0km/ℓという燃費をカウントするのもさほど難しくなさそうである。
動作の機敏さはX3とほとんど同等。低い回転域からたっぷりとしたトルクを与えてくれるおかげで、スロー・コーナリングの脱出時にも自信をもってアクセルを踏める。