メルセデス・ベンツGLC 250d
公開 : 2015.07.15 23:50 更新 : 2017.05.13 12:50
また、常に駆動配分を変えてくれるおかげでボディ・コントロールもしやすく、電気機械式のステア・システムは極めてナチュラルなコーナリング・フォームを実現させてくれる。
ワインディングでは、アンダーステアを慎重に抑制していることが伺える。スタビリティ・コントロールの介入を鬱陶しいと感じたことはなく、楽しいクルマづくりをしようとしたメルセデスの意図が伺える。ミドルSUVではなかなか味わえない感動だ。
エア・スプリングをリアに組み合わせるテスト車の乗り心地は、はっとするほどおだやか。タイヤ・ノイズも抑制されている。ただし、特に低速域でリッジを踏み越えると、ストラクチャーを通じでブルブルと振動が伝わってくることが多い。
メルセデスは、GLCのカスタマーのうち数パーセントがオフロード上の性能を求めることをよく知っているため、走破性の追求にも手を抜かなかった。
おかげでアプローチ・アングルは30.8°を、デパーチャー・アングルは24.8°を実現。ブレーク・オーバー・アングルは19.7°、横転に至るまでの角度であるティッピング・アングルは35°に及ぶ(オフロード・エンジニアリング・パッケージ装着時)。
ほとんどのライバルが及ばないどころか、GLCのこれらの数字はランドローバー・ディスカバリーに及ばんとしているというのだから、かなりの実力の持ち主なのだ。
■「買い」か?
プラミアム・ブランドのSUVをお探しならば、GLCの販売時期まで購入を待ったほうがいいだろう。同カテゴリーで、GLCと肩を並べるレベルのスタイリング、質感、パフォーマンス、ハンドリング、乗り心地、経済性、実用性、オフロード走破性を兼ね備えたクルマはあまりない。
英国の道で、標準のスチール・スプリングを組み合わせたモデルを試すまでは、正式な評価を待っていただきたいが、少なくともオプションのエア・ボディ・コントロール・パッケージを組み合わせるモデルをスムーズなドイツの道で試したかぎり、‘熟達’ ‘洗練’ ‘魅力的’ という3つのワードがこれほど似合うミドSUVはないと感じた。
(グレッグ・ケーブル)
メルセデス・ベンツGLC 250d
価格 | £36,105(697万円) |
最高速度 | 211km/h |
0-100km/h加速 | 8.3秒 |
燃費 | 20.0km/ℓ |
CO2排出量 | 129g/km |
乾燥重量 | 1770kg |
エンジン | 直列4気筒2143ccターボ・ディーゼル |
最高出力 | 204ps/3800rpm |
最大トルク | 51.0kg-m/1600rpm |
ギアボックス | 9速オートマティック |
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