フェラーリ・カヴァルケイド 2015
2015.06.25〜30
フェラーリ社がカスタマーに向けて主催する、イタリアの文化と芸術、そして情熱とグルメを楽しむイベントがフェラーリ・カヴァルケイドである。イベント名にあるカヴァルケイドとは、騎馬の行列やパレードを意味するもの。2012年から始まり、これまで地元のエミリア・ローマーニャ州やトスカーナ州、シチリア島を舞台に開催されてきた。
4回目となる今回は、壮大な歴史を有し歴史的な遺跡が数多く残るイタリアの首都ローマで行われた。ローマを中心としたプログラムが組まれ、世界37カ国から100台/200名が集まり、日本からも8組が参加した。その中には15台のラ フェラーリを始め、特注モデルであるSP12TRSの姿も見られ、参加車は現行モデルが中心だった。ルートの途中にはスタンプ・ポイントや規定タイムに挑むSSが設けられ、プログラムに変化をつけている。
6月25日にローマのグランド・ホテル・プラザで受付を行い、その晩はウェルカム・パーティが行われた。
ツアー1日目は「シーサイド・ドルチェヴィータ」と名付けられ、ローマから南に行くルートが用意された。アウグスト広場を出発したのちイタリア空軍のプラティカ・ディ・マーレ基地を訪れた。ここでは広大な滑走路を使って発進加速のトライアルを行い、フェラーリのパフォーマンスを存分に楽しんだ。またハンガーでは戦闘機となどとの記念撮影でも盛り上がっていた。
基地の次は古代ローマ時代からの港都市オスティア・アンティカを訪ね、ここでランチを楽しんだ。午後のプログラムはワインディングを抜けてトルファ山を目指し、その後ブラッチアーノ湖でクルージングを楽しみローマへ戻った。
2日目はローマから北東エリアを巡るルートが組まれた。ミッレ・ミリアでも知られるモンテ・テルミニッロへのヒルクライムから始まった。山頂は標高1800mもあるだけに、暑かったローマとは一転して肌寒いほどだった。ここからウンブリア州のワインディングを存分に楽しみアッシジに到着。通常は非公開のサン・フランチェスコ教会も特別に見学が許され、総厳な内部を見学することができた。
ランチを楽しんだあとは、ウンブリア州ペルージャ県の中心で美しい古代都市であるペルージャを訪ねた。ローマに戻り、この日のディナーはヴァチカン美術館内に用意され、ローマの伝統料理が振る舞われた。
ツアー3日目はローマの北西エリアを巡るルート。最初の目的地はローマの北にあるロンチリオーネで、続いて魅力的中世の面影を残すヴィテルボで一休みした後、ランチはオルビエートに用意され、参加車は荘厳なゴシック大教会堂の前に並べられた。
食後はボルゼーナ湖を横に見ながらヴァレルンガ・サーキットに向かう。ここではタイムトライアルが行われ、参加者は大いに盛り上がっていた。またここではサプライズが。スクーデリア・フェラーリの控えドライバーであるエステバン・グティエレスが488GTBに乗って登場し、ラ フェラーリと共にデモランを行い、参加者の注目を集めた。
この日のガラディナーはローマ近郊にある映画スタジオ、チネチッタで行われた。なんとローマ時代のセットの中で行われ、参加者もローマ時代の衣装に着替えてローマ料理を存分に楽しんだ。
フェラーリ・カヴァルケイド2015の最終日は、ローマ市の全面的協力により永遠の都ローマでパレードが行われた。100台フェラーリはアウグスト広場をスタートし、コルソ通りからヴェネチア広場、ポポロ広場、システィーナ通りを経てボルゲーゼ公園に向かい、ヴェネト通りからコロッセオを横目にカラカラ浴場跡と、ローマの名所を警察車両の先導で巡った。
パレードの後に参加者は、教皇の夏リゾートとして使われたアルバノ湖を望む眺めの美しいガンドルフォ城に移動し、ランチを楽しんだ。
この日の晩にツアー最後のガラディナーがトラヤヌス市場で行われた。参加した200名のゲストは、壮大なスケールのヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂の華麗な眺望を心ゆくまで楽しんだ。
ここでチャリティー・オークションが行われ、フェラーリ社からF1のノーズやウイングなどの貴重な品々が提供され、最終的に約20万ユーロ(約2,730万円)を集めた。この収益金はフェラーリ会長 セルジオ・マルキオンネが挨拶の中で語ったように、遺跡や記念建造物の修復のためにローマ市に寄附される。
イニャツィオ・マリーノ・ローマ市長は、フェラーリとマルキオンネ会長のこの取り組みに対しての謝辞を述べ、この寄付金がトラヤヌス市場の下層階にある2つのホールの改装に使うことが発表された。
今回のカヴァルケイド開催に際してローマ市は全面的な協力をし、参加者は感謝の意をローマの壮大な都市に告げた。
次回は8月10日からアメリカで初となるフェラーリ・インターナショナル・カヴァルケイドが開催される。