アウディA4 2.0 TDI 190
公開 : 2015.07.21 23:50 更新 : 2017.05.29 18:14
キャビンの仕上がりの良さも、クラスの標準値にマッチしている。座っていて心地よく、装飾にはA4いや、アウディ特有のテイストが盛りこまれている。レイアウトからも、かなり用心深く吟味されたことが伺える。
スペースは必要にして十分。それぞれのコントローラーは、ほんのわずかにドライバー側を向いており、ラゲッジ・スペースは主だったライバルと肩を並べている。
トップ・グレードにあたるこのクルマが使用する ‘バーチャル・コックピット’ マルチメディアやメーター周りのシステムはQ7のものを利用しているため、目を見張るほどの視認性や、運転/ナビゲーション/インフォテインメントに関する情報の豊富さに関しては安心していただいて構わない。
要するに、とっても高級感にあふれているのだ。
しかしながらアウディは、高級感は当然のこととして、ダイナミクスに関しても自信をもっているようだ。
まず第1に、ダイエットについて。つい先日デビューしたばかりのQ7と同じく、アウディはA4に徹底的な減量を課した。その結果、なんと先代よりも120kg軽くなっているのだそうだ。
体が軽くなったのであれば、次はスタミナもつけたいところ。たとえば4気筒の2.0ℓ TDIエンジンは191psを発揮するようになり、CO2排出量だって107g/kmまで減った(7速Sトロニック搭載モデル)。
ターボ加給がなされるこのエンジンは、実際にも低速域から頼りになる力づよさだし、柔軟でもある。いかにもディーゼルらしい唸り声をあげるのは、本当に回したときのみだ。しかしあくまでこれは外から聞いたときのみであり、中にいるかぎりは耳障りに感じることはない。
オプションのSトロニック・ギアボックスもケチのつけようがないし、機械任せにした場合の仕事もとても安心できる。
軽く、パワフルになったA4は、最新式のサスペンションもまた魅力的だ。前後ともに5リンク式を採るサスは数種類の選択肢があるが、そのうち快適性重視のものを組み合わせるテスト車はとてもしなやかな足捌きを披露してくれる。
それでもちょっとばかし硬質ではあるが、ひょこひょこと不安定な感覚をもたらした先代にくらべると、進歩している。
いずれにせよ、最終的な結論は英国の路上をドライブするまで待たれたいが、オプションの可変ショック・アブソーバーの印象はまずまず。また、アウディは英国の道路に合わせたサスペンションをあつらえることも計画しているようだ。