text & photo:Yasuhiro Ohto (大音安弘)
日本クラシックカー協会(JCCA)が主催するクラシックカー・レースの祭典「JCCAクラシックカー フェスティバル筑波ミーティング サマー」が7月5日に、茨城県下妻市にある筑波サーキットにて行われた。
梅雨真っ只中ということもあり、この日の筑波サーキットは、あいにくの天候に……。そのためにコース・コンディションは、基本ウェット。時折激しく降雨にも見舞われ、ドライバーたちにとって、いつも以上に緊張を強いられるレースとなった。
今回の目玉は、「FLレース」カテゴリーの復活だ。’70年代の日本のレースシーンを盛り上げた軽自動車のエンジンを搭載したコンパクトなフォーミュラカーによるレースであり、イベントではホンダN360やスズキ・フロンテのエンジンを搭載するFJ360/FL-BカテゴリーのモデルFL-1と、スズキ・セルボのT5Aなどのエンジンを搭載するFL500/FL550カテゴリーのモデルのFL-2の2クラスが設定された。決勝には19台が出場し、果敢にコースを攻めた。その愛らしいフォーミュラたちの姿に、観客からは、大きな声援が送られた。
葉巻型フォーミュラによる「ヒストリック フォーミュラ」の決勝は、雨の中のスタートとなり、各マシンが巻き上げる水しぶきによりコース・コンディションは厳しいものとなった。スリッピーなコーナーを丁寧な運転で駆け抜けながらも、接近戦が繰り広げられたレース展開は、誰もが手に汗を握る迫力あるものであった。
ウェット路面の影響もあり、コースアウトなど多少のアクシデントはあったもの、愛好家たちによる走行会からチューニングカー・レースまで国内外の様々なクラシックカーが駆け抜けた夏の筑波サーキットは、大きな事故もなく無事に終了。今回も会場には多くの来場者が訪れ、例年同様の盛り上がりを見せていた。
次回のJCCAのイベントは、60分の耐久レースも実施される10月25日の「JCCAクラシックカー フェスティバル エンデュランス 筑波ミーティング」となり、再び筑波サーキットが舞台となる予定となっている。
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足まわりのみ改造となる「P68/75レース」は、240Zやポルシェ911などのスポーツカーが数多く参戦。
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1965年までのチューニングカーによる「S65レース」には、珍しくアルファ・ロメオ・ジュリア・スパイダーが2台もエントリー。
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「S68/75レース」は、1968年前後と’70年代前半のチューニングカーによる混走レース。ポルシェ911が優勝した。
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1970年までのフルチューニングカーによる「F RACE」にエントリーした「レーシングサービス正和NRCトレノ」。
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ハコスカやセリカLB、B310サニーなど懐かしいクルマたちが筑波を駆け抜けた「JAPAN RAN」。国産車オンリーの走行会だ。
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輸入車によるスポーツ走行の「OVER SEA RUN」は、悪天候の影響も有りロータス・エランなど数台のみの走行となった。
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往年のTSレースと変わらぬB310サニーとKP61スターレットによる熱いバトルがみられた「TS CUP」。
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雨の中のレースとなった「ヒストリック フォーミュラ」。各コーナーでは、手に汗握る接近戦が見られた。
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スポーツモデル中心の「S65レース」には、パブリカ700など往年のコンパクトカーの姿も……。
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小さな子供たちもレースを観戦しており、コースを駆け抜けるマシンたちを熱心に見入っていた。
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時折激しい雨にも見舞われるレースとなったが、各チームとも互いに協力し、レインレースを楽しんでいた。
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#1/1979年アローT54V 菊池選手
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#3/1978年ハヤシ712 坂巻選手
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#5/1976年ベルコ97C 志水選手
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#6/1976年トダRS-Ⅲ 根本選手
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#7/1979年ファルコン77A 相川選手
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#8/1978年マキシムA02 石井選手
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#9/1969年アウグスタMk-2 永田選手
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#10/1975年ウエスト759 東浦選手
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#11/1975年ウエスト759 米山選手
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#12/1978年ハヤシ712 鐡 選手
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#15/1978年ハヤシ712 照沼選手
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#16/1973年ハヤシ706H 宮川選手
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#18/1978年マキシムA02 鈴木選手
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#19/1971年ベルコ96A 古宮選手
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#20/1972年アローS31 鈴木選手
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#27/1972年ハヤシ706A 長尾選手
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#37/1977年KS-07 橋本選手
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#51/1978年KS-07B 横井選手
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#88/1978年ハヤシ712 田中選手