ホンダCR-V 2.2 i-DTEC
公開 : 2012.08.31 15:38 更新 : 2017.05.29 19:10
■どんなクルマ?
NSXについての話題がホンダを取り巻いている時に、ひっそりと新しい4代目のホンダCR-Vは登場した。スウィドンで造られるこのCR-Vは、初代が1995年にデビューして以来、160ヶ国で500万台以上の数を販売したモデルである。
効率の良いフロント・ドライブの新しいガソリン・エンジン・モデルが追加されてのが、4代目CR-Vのキーポイントだ。フロント・ドライブのディーゼル・モデルも後になって追加される予定だ。
4WDシステムは、パート・タイムのままで、必要な時だけリア・ホイールに駆動を伝える。しかし、それは現在は電子制御のマルチ・プレート・クラッチが使われており、その反応は素早い。
エンジンは、今のところ153bhpの2.0リッター・ガソリンと、148bhpの2.2リッター・ディーゼルが用意される。われわれは新しい4WDの2.2i-DTECターボディーゼルの6速マニュアルをテストした。当然、5速オートマティックも用意されている。
■どんな感じ?
単純にリフレッシュできて、リラックスできるクルマだ。CR-Vは、このクラスで最もシャープなドライブを愉しむことができるクルマとの評判だが、それについてはまさにその通りで、失望させられることはない。しかし、多くのライバルに較べて、調節可能なダイナミクス・セッティングを有してはいないのにである。
有り余る安全技術が施されており、しかも緑のランプに照らされる’エコ’ボタンを押せば、経済的な走りもできる。
キャビン内部は広大で、しかも快適で、更にEXスペックの試乗車はかなり充実した装備を持つ。ホンダは席を低く設定して、しかも話したため、クラスとしては標準的な居住性を持つ。更に、589リッターの荷室スペースは、シートを倒すことによって1669リッターにまで広がるのだ。
ドライビング・ダイナミクスは好印象だ。ステアリングは、フィーリング、レスポンス、そして軽さの丁度良い妥協点で、ギアは滑らかで、ペダルの重さもベストだ。コーナリングは、あまりプッシュするとアンダーステアが顔をのぞかせるものの、それは非常にスムースで、印象的な機敏さとバランスを持っている。
また、ホンダが主張するように、前モデルの半分ぐらいのノイズしか感じない、ということも確認できた。ディーゼル・エンジンの音は、高速走行でもほとんど聞き取れないレベルで、風切り音も抑えられている。入り込む音の体部分は、そのパノラマ・ガラスの屋根から入ってきたと言って良い。18インチのホイールにもかかわらず、そのロード・ノイズもクラスの標準からすれば非常に静かだったといえる。
フロントがマクファーソン・ストラット、リアがマルチリンクというサスペンション・レイアウトで、リアは10%前モデルよりも柔らかくセッティングされている。英国の酷い道の上で、どんな乗り心地を示すか興味があるが、少なくもミュンヘンの滑らかな道の上では、衝撃吸収とボティ・コントロールの良いバランスを見せてくれた。
轍だらけの道では、若干安定性を損なう場面も見られたが、その場合は、17インチ・ホイールを選べば解決されることだった。
ギア・レシオは、3速と4速が若干離れすぎているきらいがあって、街なかでほんの少し乗りにくいところがあった。
そのエンジンは、クラスの標準からすればクイックなものではない。しかし、ミッドレンジでのトルクフルな感じや、ターボ・ラグを感じさせないレスポンスなど、非常に柔軟なエンジンであるといえる。
確かに、BMWのディーゼルには及ばないかもしれない。しかし、そのレベルはかなり近づいていると言えるだろう。
■「買い」か?
間違いなく買いだ。このディーゼル仕様は、クラス最高のレベルからすれば不足点はあるかもしれないが、その価格を考慮に入れれば、素晴らしい出来である。また、前モデルよりも大幅に改善されている点も素晴らしい。
そのスムーズでイージーなドライブは、このクラスのスタンダードよりも遥かに優れている。しかも、プレミアムな価値をもつライバルに対しても、そのユーティリティにおいては負けるものではないのだ。
(ヴィッキー・パロット)
ホンダCR-V 2.2 i-DTEC
価格 | 31,500ポンド(390万円) |
最高速度 | 190km/h |
0-100km/h加速 | 9.7秒 |
燃費 | 17.8km/l |
CO2排出量 | 149g/km |
乾燥重量 | 1735kg |
エンジン | 直列4気筒2199ccターボディーゼル |
最高出力 | 148bhp/4000rpm |
最大トルク | 35.7kg-m/2000rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |