ロータス・エヴォーラ400
公開 : 2015.07.24 23:50 更新 : 2017.05.29 19:24
黒地に白の数字が印字されたメーターも読みやすい。ステアリングとの位置関係も良好である。ステッチも美しく、エアコンからの風の音も耳障りに感じない。
スロットル・レスポンスも相変わらず鋭く、ターボ・ラグも最小限。上へ上へと回りたがるエンジンである。最高で7000rpmまで回り、4500rpmあたりが一番おいしい。41.8kg-mのトルクは1000rpmで湧きだし、押しだしの強さは6500rpmへとつづく。
レッドラインは7000rpmから。エンジン・ノイズは古典的な雄々しさ。どの速度域でも0-100km/hタイム=4.1秒が示すとおり、クイックに感じる。ジュニア・スーパーカーと呼ぶに差し付けない、というのが私の意見である。
最高速度299km/hというのは、ロータスのプロダクション・カー史上初の領域である。ホットハッチでさえ400psを超えるモデルが登場しているが、やはりこの数字は相当な威力だと感じる。
しかしながら、制動力はまずまずであるが、ブレーキ・ペダルのトラベルは大きめ。したがってヒール・アンド・トゥはあまりうまくできない。エンジンが優れたキャラクターを有しているだけに残念でならない。
もし気になるのであれば、6速のトルコンATをオプション装着するという手もある。市街地では変速マナーに不満はないし、左足でブレーキ・ペダルを踏むに十分なスペースも確保されている。
変速時間も短く、レスポンスも十分。玉に瑕なのはデュアル・クラッチほど洗練された機械ではないという点だ。それにATを選ぶと、LSDが装着されないという悲しい側面もある。
シャシーこそエヴォーラ400を味わいつくす重要な要素だというのに残念である。
乗り味は、サスペンションが締めあげられているだけあって硬質になっているが、我慢ならないほどではない。ポルシェ・ケイマンのそれよりもソフトに感じられる。