アウディA4アバント2.0 TFSI
公開 : 2015.07.24 23:40 更新 : 2017.05.29 18:14
4WDのA4 2.0 TFSIウルトラは、2.0ℓ4気筒ガソリン・ターボの展開のうちの1つであり、もっともエコノミカルなモデルといった立ち位置である。1.8ℓのターボ・ガソリンを使用していた1.8 TFSIの後継にあたる。
単なるダウンサイジングだけではCO2エミッションの低減にはつながらない、というのがアウディの込めたメッセージだ。
アトキンソン・サイクルの燃焼プロセスを再定義し、(ガソリン・ユニットにしては高い)11.7:1という圧縮比を実現。エグゾースト・マニフォールドも新たに設計しなおされた。
32.4kg-mの最大トルクは先代と同じである一方、最高出力は先代+19psアップの190psとなる。
英国内のマーケットでは縦置きのエンジンには6速マニュアルが標準で組み合わされるが、テスト車には7速のSトロニック・デュアル・クラッチATが組み合わされていた。
サルーン・モデルの燃料消費率は20.9km/ℓというのが公表値でありCO2排出量はわずか109g/kmまで低減されている。
ガソリン・ユニットであるだけに、先日テストしたばかりのディーゼルほどのロー・エンドの力強さはないが、回転感はスムーズそのもの。上の回転域まで嬉々として回りゆく。
アウディの公表する0-100km/hタイムは7.3秒。先代のCVTを組み合わせるA4 1.8 TFSIよりも1.0秒短縮されており、最高速度は225km/h→240km/hへと更新された。
コンフォート・モード時の速度感応式電気機械式ステアリングは先代と比べて軽め。ただし極めて正確である。1/4ほどまではスパッと切れ込み、全般的に人工的なフィールは皆無。もう少しフィードバックが豊富だといいのだが、それでも先代からは飛躍的な進化を遂げた。
動力性能に関しても同じことが言える。先代からの改善はドラマティックのひとこと。テクニカル・チーフのウルリッヒ・ハッケンバーグが “軽量化だけでなく剛性向上にも力を入れた” と強調することも頷ける。
新式のサスペンションは、柔らかいスプリングを採用し、ダンパー・レートの改善も推し進められた。ロール・バーもアップグレードされ、直径は4mm増した。ブッシュも同様である。
アウディいわく、メルセデス・ベンツCクラスが使用するようなエア・スプリング・サスペンションの計画もあったということだが、ハッケンバーグいわく “技術的に難しくはないが、まだ先の話” なのだそうだ。
その選択も頷ける。というのも、テスト車両はいかなる路面状況でもぴったりと安定しているからだ。先代のそれとは明らかにレベルがちがう。プロトタイプであるだけに高速域では少し不安定になる傾向があるが、特に低速域では、いかに仕立てのいいサスペンションであるかがわかりやすかった。
同様に感動したのがハンドリングである。とかくナチュラルなのだ。スプリングが柔らかいため先代よりもリーンしやすい傾向にあるが不安になる類ではなく、ロールもきっちりと抑制されていた。
■「買い」か?
他の小型サルーンと比べてどうか? という結論をだすには、もちろん製品版をしっかりとテストする必要がある。
しかし、プリ・プロダクション版に乗るかぎり、先代より楽しく、快適に、そして洗練されていることが明らかになった。
内装スペースの拡大や魅力的なマテリアルだけでなく、コネクティビティやインフォテイメント・システムの進歩、安全システムを含めて、今後も要注目である。
(グレッグ・ケーブル)
アウディA4アバント2.0 TFSI 190 Sトロニック
価格 | £30,500(586万円) |
最高速度 | 238km/h |
0-100km/h加速 | 7.5秒 |
燃費 | 20.0km/ℓ |
CO2排出量 | 114g/km |
乾燥重量 | NA |
エンジン | 直列4気筒1984ccターボ |
最高出力 | 190ps |
最大トルク | 32.4kg-m/1450-4200rpm |
ギアボックス | 7速デュアル・クラッチ |
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