ホンダHR-V 1.6 i-DTEC EX
公開 : 2015.07.29 23:50 更新 : 2017.05.29 19:09
ただしパフォーマンスに関しては悪くはない。たとえばコーナリング時でも、思い通りのパワーを引き出せるし、ショート・ストロークのカチリとしたレバーにも好感がもてるからだ。
しかしほとんどのスモールSUVに乗って感じるのは、特に愉しいものではないというのが正直なところであるが、HR-Vもまた、その例外ではない。つまり特に興奮しない。
ステアリングが軽いため市街地では楽に運転できる一方、高速コーナリング時に冒険心を掻きたてたり自信を漲らせてくれるような重みは皆無。ボディのロール量も大きく、スコダ・イエティや日産キャシュカイよりもコントロールしづらいと感じた。
柔らかいサスペンション・セットアップを採用したことが主たる理由であり、テストを通しても、アンジュレーションに遭遇した際や急な制動を行った際にドライバーの頭はぐらぐらと揺さぶられることが多かった。
同様に悪路のうえでも車体は安定しない。高速道路の速度域でバンプを踏み越えれば、入力に対する初期の吸収が今ひとつなのである。
一方の内装は目の届きにくいところに硬質なプラスティックが残るものの、大部分はプレミアム感を与えるに十分な仕立てであり、それぞれのスイッチ類の配置も優秀である。
7.0インチのタッチスクリーン・インフォテイメント・システムもまた ‘後付け感’ がなく、コントロールがドライバー側に向いているためコックピットらしい雰囲気だと感じた。