フェラーリF12スペチアーレをキャッチ
公開 : 2015.08.04 22:50 更新 : 2017.06.01 02:09
フェラーリF12スペチアーレは、3月のジュネーブ・モーターショーで公開される予定だ。その最初の剥き出しの写真が、マラネッロのフェラーリ本部の周辺で捉えられた。大きなホイールアーチ、フロント・スポイラー、リア・ディフューザーなどといったエアロダイナミックなパッケージが見て取れる。
このモデルは458スペチアーレのような限定モデルではなく、通常のカタログ・モデルになる予定。また、これまでのF12ベルリネッタも継続して販売が行われるという。
F12スペチアーレは、1525kgというF12ベルリネッタよりも200kg近いダイエットがされていると同時に、6.2ℓV12ユニットの740psのパワーも20ps程大きい760psにまでアップされている。このパワーは1トンにつき538psで、これはライバルとなるランボルギーニ・アヴェンタドールLP750-4スーパーヴェローチェの485ps/トンを上回るだけでなく、ポルシェ918スパイダーにも肉薄する値となる。
トップスピードは新しく採用されるエアロダイナミクスな空力パッケージにより340km/hよりも減るかもしれないが、0-100km/h加速はF12ベルリネッタの3.1秒を上回り、3.0秒を切るタイムが期待される。
フェラーリがF12ベルリネッタから200kg近いダイエットをどのようにさせるのかについてはまだ不明な点も多いが、458スペチアーレで95kgの軽量化を施した技術はもちろんのこと採用されることになろう。ライトウェイト・ボディ・パネル、より薄くなったパースペックス・ウインドー、そして超軽量ホイールなどが用いられるようだ。また、カーペット、防音材、そしてナビゲーションは標準として残されるが、その他の装備は取り除かれ、そのままオプション・リストに移行することとなる。軽量化とは相反することになるが、これらオプションを追加すれば、比較的快適にクルージングを行いたいユーザーに対応できるという。
F12スペチアーレは、サスペンションとステアリングにユニークなチューニングが施される。サーキットでも一般道でも安全でスタビリティの高いシステムが新たにデザインされるようだ。
フェラーリにとって、もしかしたらこのF12スペチアーレが最後の自然吸気ユニット搭載モデルになるかもしれない。そういった意味に於いてもメモリアルな1台になるのだろう。既にV8モデルは、488GTBの登場で、カルフォルニアTと共にターボ・ユニットとなってしまったし、V12のラ フェラーリはハイブリッド・ユニットを搭載するモデルとなってしまったからだ。
価格はもちろん発表されていないが、458スペチアーレが標準的な458イタリアよりも£30,000(570万円)高いことを考えると、F12ベルリネッタの£240,083(4,610万円)よりも1,000万円ほど高い£30,000(5,760万円)でお釣りがほとんどない値付けとなるだろう。しかし、この価格で£781,000(1億5,000万円)のポルシェ918スパイダーと同じパフォーマンスが得られるとすれば、バーゲン・プライスと言えなくもない。