ボルボV60クロスカントリーD4 SE
公開 : 2015.08.06 23:30 更新 : 2017.05.29 19:08
0-100km/h=7.2秒を標榜するだけあって、どの速度域でも速く感じられる。意外に思われるかもしれないが、思わず声をあげてしまうほどだ。‘羊の皮をかぶった狼’ と表現するに差し支えない。
飛ばそうと思えば、シフト・チェンジを素早くおこなう必要がある。D4のディーゼルは4250rpmを超えると、息が上がり始めるからだ。
ただ、下からの盛りあがりはかなりのものであるから、たとえばモーターウェイの速度域から追い越しを試みる際などにはダウン・シフトする必要はない。
ディーゼル特有のバイブレーションに関しては言うことなし。品のいいサウンドを奏でてくれるのも加点ポイントだ。
6速のマニュアル・トランスミッションの操作はさして面倒に感じない。少しばかりレバーの動きが大きすぎるものの、それぞれのゲートにはカチリと入るため気持ちがいい。
コーナリング時の姿勢は、車高が高くなっているにもかかわらず安定している。ボディがぐらりと揺れることもほとんどない。
高さが嵩上げされていることを実感するのは、田舎道によくみられるうねりをともなう路面である。このときばかりは足腰があたふたしているのが目に見えてわかるのだ。
グリップ力は前輪駆動のモデルであるにもかかわらず十分。ステア・フィールは心より満足できるほどではないが、精緻感はまずまず。重みが速度に依存することもない。
標準装備としては7.0インチ・タッチスクリーン・インフォテイメント・システム、衛星ナビ、DABラジオ、ブルートゥース、デュアル・ゾーン・エアコン、リア・パーキング・センサー、LEDデイライト、17インチ・アロイ・ホイールが挙げられる。
テスト車両には、£1,900(37万円)のドライバー・スポーツ・パックが追加されていた。自動ブレーキ、レーン・アシスタント、ブラインド・スポット・アシスト、全自動ブレーキを含む衝突警告システムのパックである。
キャビンは見た目にも触り心地もとてもいい。手動のシートやステアリング・ホイールは調整幅が大きく、理想的なポジションを見つけやすい。
一方、リアの足元や頭上のスペースはあまり好ましくはなく、たとえば180cmを超える身長のパッセンジャーが乗った場合は快適とはいいがたい。
荷室容量は557ℓ。決してトップ・クラスではないが、十分なスペースである。