2015年7月 自動車販売台数ランキング

2015.08.07

■新車販売は7カ月連続での前年割れ。増税後の軽自動車の不振が続く

市場におけるクルマの消費マインドが、なかなか改善してこない。自動車業界団体がまとめた2015年7月の全体での国内新車販売は、前年同月比7.6%減の42万5088台と7カ月連続での前年割れとなった。カテゴリー別では、登録車が同1.3%減の28万2239台と4カ月ぶりにマイナスに転じ、一方の軽自動車は同18.1%減の14万2849台と7カ月連続での減少。4月からの軽自動車税増税が、4カ月続いての2桁減を招く形となった。市場動向について業界団体の関係者は「ボーナス商戦は販売の伸びにつながらなかった。一部の普通車に回復の兆しが見られるものの、全体としては低調。とくに軽自動車は増税の影響が大きい」と分析。今後については、「日本の景気が踊り場といわれる昨今、クルマに対する消費意欲の改善は不透明。富裕層にアピールするモデルは底堅いが、一般消費者向けのクルマは回復の兆候が見られない。こうした二極化は、しばらくのあいだ続きそう」と予測した。

車名別ランキングでは、トヨタアクアが前年同月比25.9%減ながら1万7711台のセールスを記録して4カ月連続でのトップにつく。続く第2位には2ランクアップを果たしたトヨタ・カローラが位置。第3位には1ランクダウンでホンダN-BOXが入った。トップ10を一覧すると、軽自動車は5車種で残り5車種が登録車。この割合になるのは2カ月連続である。また、登録車がトップ2を占めるのは実に1年ぶりのこととなった。

話題の新型車の動向にも触れておこう。7月にマイナーチェンジを行って安全装備を充実させた日産ノートは同9.3%増を記録して第8位にランクイン。新しいラパンを追加したスズキアルトは第10位、新型に移行したトヨタ・シエンタは第16位、同じく新型に切り替わったマツダデミオは第17位、ホンダ・ステップワゴンは第18位に位置する。また、ハイブリッド仕様の受注が発売約2カ月で1万台を突破した日産エクストレイルは第20位に入った。ほかにも、7月にハイブリッド仕様を追加したスバルインプレッサが同45.0%、6月にマイナーチェンジを実施した三菱アウトランダーが同232.5%の大幅増を成し遂げた。

2015年7月 車名別乗用車販売台数ランキング (日本自動車販売協会連合会発表)

メーカー モデル 台数
1 トヨタ アクア 17,711
2 トヨタ カローラ 12,089
3 ホンダ フィット 11,466
4 日産 ノート 9,511
5 トヨタ プリウス 9,419
6 トヨタ ヴォクシー 8,611
7 トヨタ ヴィッツ 8,048
8 トヨタ シエンタ 7,377
9 マツダ デミオ 6,706
10 ホンダ ステップワゴン 6,677
11 日産 エクストレイル 5,885
12 ホンダ ヴェゼル 5,813
13 トヨタ ヴェルファイア 5,778
14 日産 セレナ 5,517
15 トヨタ ノア 5,262
16 トヨタ ハリアー 5,252
17 トヨタ アルファード 5,026
18 スバル インプレッサ 4,703
19 トヨタ エスクァイア 4,561
20 ホンダ シャトル 4,454
21 トヨタ パッソ 4,079
22 スズキ スイフト 3,809
23 ホンダ フリード 3,433
24 トヨタ クラウン 3,264
25 三菱 アウトランダー 2,780
26 マツダ CX-3 2,722
27 トヨタ ランドクルーザーW 2,598
28 スバル レヴォーグ 2,559
29 スズキ ソリオ 2,393
30 トヨタ スペイド 2,306

■輸入車の販売は回復基調。クリーンディーゼル車の拡充も人気の一因に

国産車が苦戦する一方、輸入車の新車販売は回復基調に入ったようだ。外国メーカー車の新規登録台数は前年同月比11.6%増の2万607台と、4カ月連続での前年超え。登録車に占める輸入車のシェアは、7月単月としては過去最高の7.3%を記録する。日本メーカー車含でも同5.4%増の2万4441台を達成した。市場の動きについてJAIA関係者は、「駆け込み需要の反動減からは、ほぼ回復したといえる。課題だった400万円未満クラスの販売も復調傾向だ。また、各ブランドがクリーンディーゼル車のラインアップを充実させていることも、輸入車への関心につながっている」と分析した。

外国メーカーのブランド別成績では、新型Cクラスなどの販売が好調なメルセデス・ベンツが同13.3%増の4373台の新規登録台数を記録して5カ月連続での首位に輝く。続く第2位には、同0.3%増のフォルクスワーゲンが位置。第3位には同15.7%増を成し遂げたBMWが、第4位には同13.9%増のアウディが入った。ドイツ四巨頭以外では、ボルボが同40.2%増、ポルシェが同83.6%増、ルノーが同23.2%増の好セールスを達成。また、フェラーリが同145.2%増、ランボルギーニが同88.2%増と、スーパースポーツ・ブランドの好調ぶりが際立った。

2015年7月 車名別輸入車新規登録台数 (日本自動車輸入組合発表)

メーカー 7月 2015年累計
1 Mercedes-Benz 4,373 37,050
2 VW 4,199 33,865
3 BMW 3,130 25,804
4 Audi 2,126 17,873
5 BMW MINI 1,466 11,804
6 Volvo 1,057 7,322
7 Jeep 584 4,067
8 Porsche 481 3,662
9 Peugeot 408 3,365
10 Renault 505 3,236
11 Fiat 438 3,190
12 Ford 424 2,801
13 Land Rover 219 1,771
14 Alfa Romeo 163 1,531
15 Citroen 135 1,175
16 ABARTH 112 873
17 Maserati 128 778
18 Jaguar 74 565
19 DS 72 538
20 Ferrari 76 494
21 Cadillac 63 422
22 Chevrolet 44 406
23 Chrysler 8 355
24 Lamborghini 32 230
25 Bentley 29 214
26 Lotus 22 194
27 BMW Alpina 21 182
28 Dodge 28 155
29 smart 8 124
30 Aston Martin 16 95
31 Rolls Royce 19 95
32 Mclaren 5 46
33 Rover 4 23
34 GMC 4 20
35 Lancia 1 14
36 Pontiac 4 12
37 Morgan 1 10
38 Hummer 0 7
39 Hyundai 2 7
40 Autobianchi 2 5
41 Buick 1 5
42 MG 0 5
43 Saab 0 4
44 Opel 0 2
45 PROTON 0 2
46 Bugatti 0 1
47 Detomaso 0 1
48 Kia 0 1
49 DAEWOO
50 Mini
51 RUF
52 Others 15 226
合計 20.499 164,627
文・大貫直次郎

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