スバル・アウトバック vs セアト・レオンXペリエンス
公開 : 2015.08.07 23:50 更新 : 2017.05.29 19:30
セアトだって荷室が前後に長く、後席のアレンジメントも巧みであるが、お世辞にも利便性が高いとはいえない。それにルーミーともいえない。
一方の内装の質感は、スバルの場合、高級感に満ちあふれているわけではないし、見た目は ‘The日本車’ といったところではあるが、スイッチを押し込んだ際の印象はソリッドで剛性感が高い。色気はないが。
マルチメディア・システムも内装と同じくはっとするような華やかさに欠けるが、その仕事自体は実直そのもの。こういうところがスバルを好きになる理由なのだ。
車高が高まったワゴン車といえども、動きがダブダブとしないのはここ最近のトレンドであり、セアトのハンドリングはその好例といえる。
決して神経質ではないのだが、それでいて鈍麻していないのだ。一方のスバルは、トレンドに追随する素振りがない。
セアトの乗り味は、ハイ・ライドな実用車というよりも、ディーゼルを搭載したスポーツ・ワゴンのそれに近い。なぜか。他のモデル群にくらべて、基準車から車高が15mmしかあがっていないからだ。
これに加えてハッチバックと同じ径のステアリングを採用していること。そしてそのステアリングがクイックであることが理由として挙げられる。
もし世のクロスオーバーがこのクルマと同じ仕立てにしたならば、それはもっと売れるだろう。若い。生き生きとしている。zesty(=よろこびに満ちている)という言葉がぴったりである。