マツダMX-5 1.5

公開 : 2015.08.10 23:50  更新 : 2017.05.29 19:13

さらにアクセル・ペダルを踏んでいく。ここらへんかな? と予想したところで、トラクションを失いはじめる。オーバーステアへ転じはじめたところで、姿勢を戻すことも簡単だ。挑発的なところもまたいい。

免許証の点数を心配せずに済む速度域で、心ゆくまでたのしめるのは、すべての所作がなめらかに、有機的に接続されているからだと思う。乗り心地さえ、無骨なところはなくフレンドリーだ。

バンプを超えると、車体底部から上屋にかけてぶるりと震えるところがあるが、基本的にはしっかりと落ち着いている。軽量なソフト・トップの操作感からも、長い時間をかけて吟味されたことが手に取るようにわかる。

時にはハードな運転を試みたテストを通じて、14.2km/ℓという燃料消費率をクリアしたのも加点ポイントだ。

唯一の不満としてあげられるのは、ボディ・ムーブメントに関して。たとえば高速でアンジュレーションを超える場合、1度目の入力でボディがふわりと浮きあがる。

荷重移動がわかりやすいのはありがたいのだが、控えめな速度で向きを変える際に、ノーズが浮き沈みする点はすこしばかり辛い。

また、モーターウェイの速度域で直進する場合に、ステアリングの中立付近にほんの少し遊びがある。もう少しどっしりと構えていてもいいと思う。さらに3つのペダルがほんのわずかに右に寄っている点も気になる。筆者のように女性ならばあまり問題はないが、足の長いドライバーならば違和感を覚えるはずだ。

しかしながら、シートやステアリングの調整幅は必要にして十分。キャビンの形も運転に集中でき、SE-Lトリムを選べば7.0インチのカラー・マルチメディア・スクリーンがついてくるのもいい。このマルチメディア・スクリーン、見た目もスマートだ。その他の装備品に抜かりがないのもまたいい。

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