レンジローバー・スポーツSDV6オートバイオグラフィー
公開 : 2015.08.10 23:30 更新 : 2017.05.29 19:20
たとえば8速のまま曲がり角にさしかかり、曲がる。そこから加速する際、ターボが加勢し始めるまでに溜めがある点が1つ。
また、40km/h程度で市街地を走っている際、さらにスピードをあげるためにアクセル・ペダルを踏み込むと、必要以上にエンジンが回る傾向がある。ギアを落とし、2つのタービンが回る際のトルク伝達がもう少しなめらかになれば、より扱いやすいクルマになると思うのだが。
以前よりも2500rpm周辺のエンジン・ノイズが大きくなっているようにも感じられる。決して不快ではないが、改善を望みたいところだ。
CO2エミッションは185g/kmまで低減されているため、英国では税金が2ランク安価になった。ユーロ6コンプライアンスには適合済みであり、燃料消費率は1.1km/ℓ優れている。
その他は、これまでとまったく同じ。テスト車のオートバイオグラフィー・ダイナミックにはアダプティブ・ダイナミクス、トルク・ベクトリング、ダイナミック・レスポンスが付き、‘スポーツ’ と名乗るに値する身のこなしを実現している。
操舵に対する反応ははシャープかつダイレクト。決して神経質ではないところがいい。ステアリングを介した情報はほとんど伝わってこないものの、重みは心地いい。
ボディのマスと車高を考えると、どうしてこんなにボディ・ロールが抑制されているのかが不思議だ。敏捷性もポルシェ・カイエンに劣っていない。
洗練性の高さもかなりのもの。SDV6エンジンからは振動があまり伝わってこず、車内はいかなる速度域でも静やか。タイヤ・ノイズもごくごく最小限である。