メルセデス-AMG GT
公開 : 2015.08.11 23:45 更新 : 2017.05.23 16:36
■特徴
“ボディに使用したアルミニウム素材は、全体の75%にのぼる” ― ルイス・キングストン (シニアテスター)
SLSはある意味で際立ったクルマだった。誰もが振り返るガルウイング・ドアなどがその例である。
これに対してGTはバランスを重視しているように思える。外観もSLSに似てはいるが、ボディはSLSよりもカーブを描いている。
全長はSLSよりも92mm短くなっているが、迫力はかなりのものだ。全員のテスターがそのデザインに好意的だったわけではないが、スタイリッシュなイメージはおそらく万国共通だろう。
上端が重いガルウイング・ドアに比べると、重心高が下がっているのも朗報である。
ほとんどがアルミでできているアンダーボディの重量はわずか231kg。メルセデスいわく、SLSが使用するスペースを流用することで堅牢性を高めているのだそうだ。
一方のエンジンはSLSのM159とは共通点が少なく、A45 AMGが使用しているものを出どころとしている。M178と呼ばれるこれはボア×ストロークの寸法もA45と同じであり、高回転域まで回る性格を重視している。
2機のターボチャージャーは両バンクの間におさまる。エンジンをコンパクトにすることが理由だ。レスポンスの最適化にもつながっている。
トランスミッションはお馴染みの7速スピードシフトDCTであるがGT専用にチューニング済み。デフの位置を考慮して搭載されている。
テールゲートはスチール製となっておりフロント・デッキはマグネシウム製。リア・バイアスの車重するための工夫なのだそうだ。
先代と同じく4本のサスペンションはすべてダブル・ウィッシュボーン方式。ハブ・キャリア、ステアリング・ナックル、ウィッシュボーンはすべて鍛造アルミニウム製としたのはバネ下の重量を軽くするためだ。
3ステージ式の可変ダンパーはAMGライド・コントロールによって電子制御がなされる。
GTの場合、コンポジット・ブレーキが標準で組み合わされる。GT Sのフロント・ディスク径は390mm。テスト車のようにカーボン・セラミックに変更も可能だ。