アストン・マーティン・ヴァンテージGT12

公開 : 2015.08.12 23:50  更新 : 2017.05.29 18:20

■どんな感じ?

いざエンジンをかけると、いかにも古典的な炸裂音が耳に届く。さすがに早朝の住宅街だと躊躇われるような音ではあるが、混じりけのない自然吸気エンジンの快音であることは間違いない。

ノーマル、スポーツ、トラックの3ステージの可変ダンパーはこちらのGT12にもつく。パワートレインも可変式となっており、スロットル・レスポンスや変速スピード、排気音の音量などが変化する。

イージーなモードにセットすると、とても落ち着いたクルマであることがわかる。DB9をはじめとするグランド・ツアラーのようだ。ロード・ノイズは盛大だが、乗り心地は良好。フロント・エンドはスムーズに向きを変える。

ポルシェ911GT3やマクラーレン675LTのように、スパ・フランコルシャンで全開走行をしたあと、そのまま自走で帰ることだってできる。

ノーマル・モード時でもボディを十分に御することができるが、スポーツ・モードにセットすればさらに盤石の安定感となる。一方のトラック・モードは英国内の道では硬すぎるものの、それぞれのモードの棲み分けははっきりとしている。

フロント・エンドにV12エンジンをねじ込んでいるのに決してノーズ・ヘビーに感じないのはV12 Sと同じ。458スペチアーレや911GT3ほどのアジリティーではないが、その身のこなしは純粋なスポーツカーそのものである。

速度を維持したままコーナーに飛び込んでもノーズはぴったりと路面を捉えている。ミドル・コーナーでバランスを失うような粗相もしない。

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