ルノー メガーヌ ハッチバック ゼン/ルノー メガーヌR.S. 第2回
公開 : 2015.08.25 20:50 更新 : 2021.03.05 21:35
8月7日
今日からメガーヌR.S.に乗る。会社にやってきたのは、イメージ・カラーのイエローを纏ったクルマであった。メガーヌR.S.については、このAUTOCAR DIGITALではもう何度もサーキットでタイムアタックをやったりしているので、ずいぶんと試乗した気になっていたが、私自身がちゃんとレポートしたことがない事に気付いた。
R.S.は、当然のことながらゼンとは全く違う、戦闘モードの出で立ちである。3ドアのスタイリッシュなボディで、ホイールアーチを覆うオーバーフェンダーが、その素性を明確に主張している。特にリアクォーターからリアエンドにかけてのラウンドした造形は立体的で、非常に彫りの深い印象だ。ボディ・サイズは全長4320mm、全幅1850mm、全高1435mmで、ゼンに比べ、全長で5mm短く、全幅でオーバーフェンダーの分だけ広く、全高は25mm低くなっている。このクルマは、オプションのロベルト・マルケジーニ製のホイールとチタンマフラーが装着されていた。
かなり大き目のドアを開けて、RENAULT SPORTとRECAROとロゴが書かれたバケットタイプのドライバーズ・シートに座る。シートのホールドは良く、これだけで、さあ、走ろうというモードになる。ステアリングは小径で、グリップは太く操舵しやすい。インテリアは、ブラック一色に統一されており、ステアリング、ダッシュボード、そしてシートに入る赤のステッチと真紅のシートベルトが効果的なアクセントとなっている。イグニッション・スイッチをオンにして、エンジンをスタートさせると、直ちに、チタンマフラーから、野太いエグゾストノートが響いてきて、アクセルをオフすればパラパラと心地よいアフターファイアが奏でられる。6速マニュアルのミッションの感触は、とてもスムーズだ。軽め穴が開けられたアクセル、ブレーキ、クラッチのペダルは何れも軽く、ヒール・アンド・トーもしやすいレイアウトとなっている。いざ、走り出してみると、サーキットでは全く感じなったが、一般道では、サスペンションは流石に硬い。今夜は甲府まで100kmほどの行程を走る予定だが、コドライバーからクレームが出なければ、と心配になった。
しかし、案の定、甲府に向けて走り出すと、助手席からは、硬くてイヤね!の一言。あー、ゼンであったら良かったのに、と思うのだが、明日のワインディングの走りの楽しさを想像すると、ここはなだめるしかない。中央高速に入ると、かなり乗り心地はフラットになり、我慢できる範囲になってきた。
エンジンのパワーは265ps/5500rpm、36.7kg-m/3000rpmと強大で、1430kgのボディを0-100km/hまで僅か6.0秒で加速する。2ℓの排気量で、このパワーは素晴らしくニュルブルクリンクでのFF最速記録もうなずける。中央道では水を得た魚のごとく、俊敏な走りをする。6000rpmのレッドゾーンまできれいに吹け上がるエンジンを駆使すれば、正に自由自在だ。この日はお盆前の混雑にもかかわらず、比較的早く、甲府に着いた。