ホンダ・シビック・タイプR
公開 : 2015.09.30 23:55 更新 : 2017.05.29 19:09
■プロローグ
“ターボ・ユニットへスイッチしたということはつまり、ホンダの哲学を根本的に改めなおしたということになる” ― マット・プライヤー (ロードテストエディター)
240psを発揮する自然吸気エンジンを搭載し、£39,000(758万円)という顎が外れそうなプライス・タグとともに先代のタイプR無限がデビューしたのは、もう5年も前のことだ。
溢れんばかりの賛辞が送られたのを、少し前のことのように鮮明に覚えているのは筆者だけではないだろう。
その少しあとの2011年、新型のシビックがデビューした。その当時からターボのタイプRを作るか否かが議題にあがっていたのは、さらに厳しさを増す欧州のCO2基準が大きな理由である。
そして2013年。ホンダはしばしば新型プロトタイプのティザー・ビデオを公開しはじめる。そしてその直後、多くの人びとの注目を集めたコンセプト・モデルを公開した。
そして今年のジュネーブ・モーターショーでは、製品版を披露。色々なところでプレビューされ、ファンが心から待ちわびたモデルが登場したのである。
多くの人びとに愛されたEP3型のタイプRがデビューしてからというもの、ホットハッチを取り巻くマーケットは大きく様変わりした。
先述のCO2エミッションの問題のみならず、200psという数字では、フルサイズのホットハッチにとって物足りなくなったのである。
ターボ加給を施したことはつまり、ホンダのエンジニアリング哲学の根本を改めなおしたことになる。
ホンダは最速の前輪駆動車を目指してノルドシュライフェを徹底的に攻め込んだのだそうだ。
速いクルマであることはわかっている。
われわれが知りたいのはハンドリングである。
早速、おなじみのMIRAハンドリング・サーキットに持ちこんでみようではないか。