アウディA3 2.0 TDI スポーツ
公開 : 2012.09.05 15:17 更新 : 2017.05.29 18:18
■どんなクルマ?
フォルクスワーゲン、セアト、スコダ、そして他のアウディとプラットフォームを共用するこのアウディA3は、まったく新しいモデルということではない。しかし、英国の道でテストするのは今回が初めてである。
その先進のデザインと、素晴らしいシート・デザインから、このクルマの良さは容易に想像が付く。少なくとも、新しいメルセデス・ベンツAクラスが発売されるまでは、クラス・リーダーである必要のあるクルマであろう。
■どんな感じ?
ひとことで表すのなら”Good”である。手放しに賞賛するほどでもなく、革新的な何かを持っているわけではないが、疑いもなく明白に良いクルマなのだ。
99g/kmの1.6リッターのTDIが昨年11月に発売された後でも、2.0リッターのTDIは英国に於いてはベストセラーである。103bhpの1.6 TDIが0-100m/h10.7秒に対して、148bhpの2.0 TDIは8.6秒というパフォーマンスを持つ。しかし、その価格差は最小限度と言って良い。ちなみに、2.0 TDIの燃費は24.4km/lと、1.6 TDIに対して1.9km/lだけ劣るだけだ。
エンジンは実にスムーズで静かで、6速マニュアル・ギアボックスと合わせて快適なクルージングを味わうことができる。シャシーも実に安全だ。メルセデス・ベンツAクラスがわざと行ったスポーティな味付けのために、その乗り心地に不安を感じるのに対し、このアウディA3はそれとは正反対の立場をとっている。テスト車輛は、通常よりもハードなスプリング・セッティングをされたスポーツ・スペックであったが、ノーマル・スプリングもノー・コスト・オプションで選ぶことができる。
このスポーツ・モデルは、旧いA3よりもコーナリングは遥かに改善されたが、その分、一級国道や二級国道での乗り心地を犠牲にしていることになる。しかし、前モデルがグリップを得るために地面を引っ掻き回したのに対し、新しいA3は上手いドライビングを見せてくれた。
アウディA3は、非常に保守的で古典的なクルマである。機能的で実に論理的なのだ。
■「買い」か?
プレミアム・コンパクト・クラスとしては間違いなく買いである。運転していて不快なところもなく、丈夫なクルマでもある。そして、多くのアウディが酷い英国の道に悲鳴をあげるのに対し、このA3は実に静かに走ることができる。決して大胆ではないが、安全なクルマということもできよう。
(アンドリュー・フランケル)
アウディA3 2.0 TDI スポーツ
価格 | 22,370ポンド(278万円) |
最高速度 | 198km/h |
0-100km/h加速 | 8.6秒 |
燃費 | 24.4km/l |
CO2排出量 | 106g/km |
乾燥重量 | 1280kg |
エンジン | 直列4気筒1968ccターボディーゼル |
最高出力 | 148bhp/3500rpm |
最大トルク | 32.6kg-m/1750rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |