つまりC4は、シトロエンなのに現行ゴルフより路面からの突き上げが強い。これについては「何やってんだ」と言うしかない。シトロエンというブランドの立ち位置をいったいどう考えているのか。

スタンダードモデルだけに、欧州ではまだ許されるだろう。しかしここ日本では、シトロエンは非常に特殊な商品であり、特殊でなければ生き残れない。この、パワートレインからも乗り味からも一切シトロエンらしさが感じられないC4は、商品としての魅力が決定的に欠けていると言わざるを得ない。

エクステリアがほとんど変更を受けなかったのも大きなハンデだ。もともと現行C4のデザインは、最もシトロエンらしさを抑えた無難なもので、「デザインに惚れる」というシトロエンならではのパターンもほぼ期待できなかったが、それがそのままなのである。

シトロエンについて何も知らない人が、ゴルフと比較して、たまたまこちらを気に入ってくれる……くらいの僥倖を待つしかないだろう。