ポルシェ911 GT3 RS
公開 : 2015.08.25 23:50 更新 : 2017.05.29 19:04
■特徴
“RSよりも横幅が小さいGT3よりも標準の状態で軽いのだが、軽量バッテリーやステレオ・レスを選べばさらに軽くすることができる” ― ルイス・キングストン (シニアテスター)
このGT3 RSの善し悪しをきめるには、同991型のGT3と、さらに同じく高い評価と名声を得た997型のRSという、ふたつの ‘ものさし’ を用いることがふさわしいはず。
この ‘ものさし’。どちらともが極めて優れたプロダクトゆえ、GT3 RSがほんの少ししか進化していないようにも思えるが、実はそんなことはまったくない。
はじめからそう断言できるのは、パワー・アップや軽量化のみに終わらず、横幅を大きくし、さらにエアロダイナミクスにも徹底的に手を入れたからだ。
事実、GT3からは10kgしか軽くなっていないし、500psのピーク・パワーだって997 RS 4.0と同じであるが、それらを受け入れる ‘うつわ’ が進歩しているのだ。
ルーフはマグネシウム製、ボンネット/フロント・フェンダー/リア・デッキ/リア・スポイラーはすべてCFRP製となる。
軽量のリチウム・イオンバッテリーを選び、ステレオ・オプションも選ばなければ、さらなる軽量化も望めるとのことだ。
またリア・エプロンはポリウレタンとカーボンファイバーの重合体によるもので、サイドとリアの窓はポリカーボネート樹脂製となる。
カレラ・ターボと同じサイズの横幅になったのはRS史上初めてのこと。3.4ℓのノーマルのカレラ比+72mmに及ぶ。
このおかげで、ロードゴーイング911史上もっとも太いタイヤが収まるようになった。
4.0ℓの水平対向6気筒ユニットはロング・ストローク設計でピストン・ロッドは短め。ストロークを4mm大きくすることによってボア・アップを果たした。
インダクション・システムもRSの専用設計となり、高速域ではより大きなパワーを生みだせるようになった。チタン製エグゾーストも軽量化に寄与している。
サスペンションも剛性を高めるためにアップデート済み。ホイールの内側にはカーボンセラミックであること知らせる黄色いキャリパーが輝いている。
それ以上に特筆すべくはダウンフォースの強化だろう。
リアのウイング単体が生みだす力は220kg。さらにフロントのスポイラーとボディ形状が110kgを生みだす。かのRS 4.0の2倍に及ぶのである。