ポルシェ911 GT3 RS
公開 : 2015.08.25 23:50 更新 : 2017.05.29 19:04
■インテリア
“まるで石でできているのかと思うほどカチリとしたスイッチ類。取捨選択、配置には唸らされるものがある” ― ニック・カケット(ロードテスター)
918スパイダーと共通するところの多いインテリアはGT3をベースに仕立てられている。あらゆる部分が硬派。キャラクターにぴったりあう。
シートに身をおろしてあたりを見回して思い起こしたのはスイス製の腕時計だ。内側に秘められたの複雑なムーブメントと、ムダが省かれた表層とのギャップに高まるものがある。
ドア・ノブが赤いベルトになった点を除けば、センター・コンソールやダッシュボード、一部がTFT液晶のインストゥルメントなど911とほとんどが同じ。
まるで石でできているのかと思うほどカチリとしたスイッチ類は、効果的に配されており、ひとつひとつの操作に迷いが生じないのもいい。
アルカンターラ巻きのステアリング・ホイールは見た目も握り心地もいい。ひやりと冷たいパドルからは、走りに対する不屈の姿勢を感じとれる。
これらよりも一層秀でているのがカーボンファイバーでかたどられ、大部分がアルカンターラが、擦れやすい部分にはレザーがあしらわれるRS専用のシートだ。
驚くほどハンサムでありながら座っていて疲れない。横Gがかかると、体を点ではなく面できっちりと包んでくれるため、不用意なズレが生じない。
RSはクラブスポーツ・パッケージが標準。3点式のベルトはあなたが望めば6点式に変更することもできる。シート後部へのアクセスが多いならばよりコンベンショナルなスポーツ・シートを選ぶことも可能だ。
しかしシート後部は鳥かごのようにボルトオンのロールケージが張りめぐらされていることを一応書き記しておく。あくまで非常用のスペースだと思っていたほうがいい。