ポルシェ911 GT3 RS

公開 : 2015.08.25 23:50  更新 : 2017.05.29 19:04

■乗り心地とハンドリング

“電制アシストをONにしておけば、思い浮かぶどのハイパーカーよりもハードにコーナリングできる” ― マット・プライヤー (ロードテストエディター)

2003年、996 GT3 RSは、1973年式の ‘73カレラ’ がやってのけたことと同じくらいの偉業をやってのけた。ほとんど完璧だともいわれた。

そんな過去の大先輩を目の前にして、991型のGT3 RSははるかに上のレベルまで引きあげられた。

ヘルメットをせずとも、そして耳栓をせずとも996 GT3 RSの上の実力を引きだせるという点も偉大なる達成だといえる。

依存性をともなうエグゾースト・ノートに、ため息のでるハンドリングやレスポンス、他では見られないほど濃密なフィードバック……。

コーナーにダイブして、ゆるぎない決意のもとエイペックスに立ちむかう。またたく間に完璧なコーナリングを終えてしまう。

スタビリティにおいては、先代では絶対に実現できないレベルに達している。システムをONにすれば、どのハイパーカーにも引けをとらないコーナリングも可能だ。

PSMをオフにすれば、さらに細やかな調整を自らで行えるようになる。現時点で売られるクルマのなかで、これほどコミュニケーティブなものはないといっていい。

峠道では、ほんのわずかに生き生きとしすぎていると感じるステアリングだって、サーキットの鮮やかなコーナリングを体感すれば正当性に頷けるはずだ。

ローズジョイントのサスペンションが、道路状況を問わない最適なコーナリングを実現しているのはいうまでもない。

■経済性とランニング・コスト

“いまや生産終了のGT3は、沸々と価格をあげている。そんな最中、同価格帯にGT3 RSが投入された。朗報といわずになんと言おう? ” ― ニック・カケット(ロードテスター)

既に極めて高い評価を得たGT3がマーケットに出回った今、あえてGT3 RSを投入する意味があったのだろうかと疑問視する読者もいらっしゃるはず。

同時に、RS版を公開することは、GT3に ‘乗っかった’ だけなのでは? と訝しむ向きも少なくないと予想できる。

販売が終了したGT3の中古車市場の価格は、言うまでもなく沸々と高まっている。ちょうどGT3 RSと同じ価格という例もあるほどだ。

これを考慮すれば、たった2000台しか生産されなかったGT3 RSがまたたく間に売り切れてしまったのも簡単に理解できる。RSのオーナーになれた人が、いかに幸運であるかということも。

£6,248(118万円)のカーボンセラミック製ブレーキ、£2,141(40万円)PCM(ポルシェ・コミュニケーション・マネージメント)、£1,538(29万円)の軽量バッテリー、£1,085(20万円)のスポーツ・クロノ・パック、無償のクラブ・パックはわれわれの勧めるオプション。

いつもなら言及する燃料消費率に関しては、このクルマに関しては述べるつもり(必要)はないというのが、われわれの判断である。

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