アウディQ7

公開 : 2015.08.25 23:53  更新 : 2017.05.29 18:14

■特徴

“ボディの40%以上がアルミニウム。12%が熱間成形の超高強度鋼。‘トーション・リングス’ と呼ばれる強化手法も見ものである” ― ルイス・キングストン (シニアテスター)

Q7は、アウディがいうところの “あいかわらず大きいクルマ”。実に大きいだけに、まったくもって反論の余地はない。

しかし先代よりも少しだけ小さくなっている。しかしあくまで少しだけ。最大でも数センチ程度の差分にとどまっている。

ただしボディ表面の隆起の見直し、そして新たに採用した水平方向にのびたボディ・サイドのデザインは先代よりもギュッと引きしまっているように感じる。

決してセクシーではないものの、アウディらしい抑制の効いたデザインに好感をもつ人も少なからず存在するはずである。

さらに心惹かれるとすれば、軽量化に関してだろう。

シート(-19kg)、ドア(-24kg)、ブレーキ(-8.5kg)、排気システム(-19kg)、配線(-4kg)とコンポーネントでも削れるところは徹底的に削られている。

複合材で構成されるアンダーボディだけでも71kgの軽量化に成功。ボディの40%以上がアルミ、12%が熱間成形の超高強度鋼となった点ももちろん成功に寄与する。

単に軽い素材に置き換えるだけでは強度が低下するのはご想像のとおり。‘トーション・リングス’ なる、強化技術も新たに採用している。

英国内では、チューニングの度合いによって218psと272psに棲み分けがなされた3.0ℓのV6 TDIエンジンを搭載するモデルが購入可能。

パワーはトルコンのオートマティック・ギアボックスを介して4輪に伝えられ、プロパーなセンター・デフ、そして後輪の間にLSDが組み込まれている。

鉄バネがスタンダードではあるが、高さの調整が可能なエア・サスもオプション・リストに並べられる。これを選べば最低地上高は245mmまで拡大する。

さらに4輪操舵システムもオプションで選ぶことができる。低速では後輪が5°前輪と反対向きに動き、回転直径の縮小に一役買っている。

高速になれば、前輪の舵角と同方向に3.5°後輪が動く。こちらはコーナリングの安定性と操舵に対する反応をよくするためである。

スーパーカーならばまだしも、大型SUVにこの機能がつくのはめずらしい。もちろん歓迎すべきシステムであることはいうまでもない。

ただ残念なのは、われわれのテスト車にはこのシステムが組み込まれていない点だ。

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