アウディQ7
公開 : 2015.08.25 23:53 更新 : 2017.05.29 18:14
■パフォーマンス
“110km/hを少し超えたあたりの室内は68dB。エンジン音、風切り音、ロード・ノイズは驚くべきレベルまで抑制されている” ― ニック・カケット(ロードテスター)
先代はもっとも安価なモデルでさえ4.2ℓのV8エンジンを搭載していた。一方、大幅にダイエットした現行はもう、8気筒のエンジンを搭載する必要がなくなった。
V6ディーゼルがもたらす0-100km/hタイムはアウディの公表値で6.5秒。われわれが行った0-97km/h加速では6.2秒をマークした。
ディーゼル・エンジンを搭載したポルシェ・カイエンよりも速いということになる。軽量化したといえども2トンを超えるSUVとしては、並々ならぬ結果である。
わずか1500rpmから湧きあがる61.2kg-mの最大トルクが勝因のひとつである。ちなみに48-113km/hタイムも静止加速時とおなじ6.2秒となる。
もうひとつの勝因として挙げられるのが、4500rpmまで我慢したのちに瞬時に変速をおこなう賢い8速のオートマティックであるといえるだろう。
110km/hを少し超えたあたりの室内は68dB。エンジン・ノイズ、ウインド・ノイズ、ロード・ノイズなどのあらゆるノイズは巧みに抑制されている好例である。
■乗り心地とハンドリング
“2トンの7シーターSUVとしては、たっぷりとした情報を伝えてくれることは間違いない。競争力はなかなかのものである” ― ニック・カケット(ロードテスター)
オプションのエア・スプリングを組み合わせたQ7は、入力を受けたあと、穏やかで周期の大きい上下動とともにもとの位置に収束していく。
低速でジョイントやバンプを踏み越えると、奇妙な突き上げが看取されるが、これは21インチのホイールによるものだと判断した。
ステアリングを介した入力に対して、車体はなめらかに向きを変える。一方ダイレクトであるとは感じない。電制システムによって生じる微細な誤差なのだろう。
サルーン寄りのクイックさは、かえって大きなマスとのあいだに違和感を生んでいる。一方レンジローバーのステアリングは、そういったことを微塵も感じさせない。