BMW 730d
公開 : 2015.08.28 23:50 更新 : 2017.05.23 10:25
総じてこれまでとサイズはほとんど変わっていない。一方ボディ内側のコンストラクションやエンジニアリング、マテリアルはこれまでのものから大幅な変更を受けている。
開発メソッドの原型となったのはBMWのiモデルであり、CFRPによるストラクチャーが車体の基礎となる。車体上部のレール、シル、Bピラー、センター・トンネル、Cピラーにはアルミ製のエレメントを組み込むことによって先代比-40kgのダイエットに成功している。
軽量化はまだまだ終わらず、あたらしいデザインのアルミ製ドアは-12kg。さらにアルミのルーフ・パネルを採用している。
テスト車である730dをとってみれば、先代の同グレードより85kg軽い1755kgの車重を実現。アウディA8 3.0TDIとメルセデスS350 CDIより25kg、ジャガーXJ 3.0Dより200kg(!)軽いことになる。
英国内で販売開始される時には、2種類の6気筒エンジンを搭載するモデルが並べられる予定だ。両方ともに、ファイナル・ドライブ・レシオはロング仕立ての8速ATを有し、衛星ナビ・システムが車体位置を取得し道路に合わせて変速をおこなう機能も盛りこまれる。オプションでパドル・シフトの追加も可能だ。
730dの使用するB57エンジンは、先代が使用していたN57エンジンよりも7psと6.2kg-m大きい265psと63.2kg-mを湧出。燃費は4.4km/ℓ向上、CO2排出量は29g/km少なくなっている。
0-100km/hタイムの6.1秒、最高速度の249km/hという数値は先代とまったくの同値。ちなみにこの730dが全ラインナップ中もっとも買いやすいグレードということになる。価格は£64,530(1,204万円)だ。
B58型のガソリン・エンジンを搭載するモデルは740iと呼ばれ、3.0ℓターボチャージド・ガソリン・エンジンは6ps増しの326psを発揮する。最大トルクは45.9kg-mと据え置きでありながら、0-100km/hタイムは5.5秒、最高速度は24.9kg-m、CO2排出量は154g/km、燃費は15.2km/ℓに至る。
■どんな感じ?
フラッグシップ・モデルとしての秀でた快適性はもちろんのこと、運転する楽しさもトップ・クラスであることを目指していたのがこれまでの7シリーズであったが、最新世代からは目標も新たなものにシフトした。
もちろんアジリティやスポーティネスは現行モデルを成立させるコアになっている。後輪ステアなどがその最たる例だ。しかしこのモデルからは、リムジンにちかい快適性を色濃く打ち出しているのである。