キア・シード1.6 CRDi
公開 : 2015.09.03 23:50 更新 : 2021.03.05 21:36
■どんな感じ?
パフォーマンスの観点でみると、やはり先代の6速ATより優れている。ターボによる助力を得る1.6ℓディーゼルはボディを力強く引っ張り、128ps/27.0kg-m→136ps/30.6kg-mへのパワー増強も手に取るように感じられる。
メルセデスから借りずにキアが独自で開発したデュアル・クラッチATは、エンジンのもつパワーを簡単に引きだせる。シフト・ダウンに待たされることはないし、むやにみエンジンを回すことなくトルクを得られるのもいい。
静粛性もかなりのもの。あえてVW製のディーゼルを引き合いに出したとしても、まったくもって劣っていない。たしかに高回転まで引っ張れば、ペダルを通じてヴァイブレーションが伝わってくるが、基本的にはなめらかかつ落ち着いたユニットである。あたらしいシリンダー・ブロック・カバーやフィルターが、このような静粛性をもたらしているのだろう。
一方の乗り心地とハンドリングは多くのライバルに後れをとっている。英国の劣悪な道によく似たスロバキアの道では、ダンパーが衝撃を受けとめるのに必死なのだ。しかしごく一般的な路面では、やわらかい仕立てゆえ驚くほど快適に歩を進められる。