キア・シード1.6 CRDi
公開 : 2015.09.03 23:50 更新 : 2021.03.05 21:36
ただ、やわらかな足廻りと大きなボディ・リーンはいわばセットのような存在。それなりの速度でコーナーに侵入すると、上屋はぐらりと揺れてしまう。
かねてからの弱点だったステアリングは、あいかわらず改善されていない。ノーマル/コンフォート/スポーツのどのモードでもステアリングを介した情報量はほとんどなく、直進時にも遊びが多い。コーナリング時、内輪にブレーキをかけるトルク・ベクトリング・システムを導入したにもかかわらずフォードの楽しさとはほど遠い。
後席のスペースは、決してトップ・レベルではないものの4人の大人にとっては必要にして十分といったところ。ステアリングやシートの調整幅も大きく、しっくりとくるポジションを見つけやすい。また380ℓのトランクは、容量/形状ともに他のライバルを凌いでいる。
キャビンの質感は、フォルクスワーゲン・ゴルフには及ばないもののフォード・フォーカスに比べるとソリッドである。ボタンの押し心地もカチリと安心感があり、TFTスクリーンの見やすさや、クローム・パーツの取り入れ方にも好感がもてる。
ナビはトムトムから供給をうけるもので、オービスや天気、渋滞情報などを表示できるのはいいが、他ライバルが搭載するインフォテインメント・システムと比べると完成度は劣る。同様に7.0インチのタッチスクリーンのレスポンスは問題ないが、直感性や機能性は最初から見なおす必要がある。
■「買い」か?
これまでのシードといえば、頭で考えて買うクルマであったが、運転する楽しさというハートを刺激する要素も加わった。豊富な装備や室内のスペース、7年保証、ランニング・コストの低減、洗練性もまた、シードを買う後押しになるだろう。
まだ正確な数値は明らかにしていないが、1.6ℓのディーゼルを搭載したトップ・レンジの4 テックの価格は約£24,000(443万円)となることが予想され、装備内容から考えるとこの値段は魅力的だといえる。他ライバルと比べても競争力は高い。
145g/kmから109g/kmへと低減されたCO2排出量を含めて、「買い」だと思える理由は着実に増している。
(ローリー・ホワイト)
キア・シード1.6 CRDi 136 DCT 4 テック 5dr
価格 | £24,000(443万円) |
最高速度 | 200km/h |
0-100km/h加速 | 10.6秒 |
燃費 | 22.7km/ℓ |
CO2排出量 | 115g/km |
乾燥重量 | 1316kg |
エンジン | 直列4気筒1582ccディーゼル |
最高出力 | 136ps/4000rpm |
最大トルク | 30.6kg-m/4000rpm |
ギアボックス | 7速オートマティック |
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