ジープ・レネゲード・トレイルホーク
公開 : 2015.09.07 23:50 更新 : 2022.12.12 21:29
ジープ・ブランドがはじめて日本に導入するスモールSUVは、イタリアとアメリカのブレンドを味わえる。
■どんなクルマ?
リーマン・ショックで倒れたクライスラーにフィアットが手を差し伸べたことから生まれた、ジープ初の小型SUV。欧州でのデビューは昨年3月のジュネーブ・ショーで、FCA(フィアット・クライスラー・オートモビルズ)誕生後、初の欧州生産ジープ・ブランドとなる。
レネゲード(renegade)とは、「背教者」「脱党者」「裏切り者」という意味の名詞(「背教の」「裏切りの」という意味の形容詞もある)で、これまではラングラーのグレード名として使われていた。イタリアで生産されるジープにこの名前をつけたのだからシャレている。
「スモールワイド4×4アーキテクチャー」と呼ばれるプラットフォームは、日本市場でもまもなく発売となるフィアットの小型SUV、500Xと共有する。エンジン横置きFWDベースの都市型スポーツ・ユーティリティ・ヴィークルなのだ。
ジープはもともと、1941年にアメリカ陸軍の要請によって誕生した究極のヘヴィ・デューティ用品である。FCAの誕生によって、新たなフィアットとジープのハーフが生まれた。昨年上陸した宇宙人顔のチェロキーに次ぐ、イタリアの血が入ったイタリアン・ポップなジープである。「常識」というものはかくして変わっていく。人間、長生きはするもんですな。
レネゲードのホイールベースは2570㎜。この分野のパイオニア、トヨタRAV4(2560㎜)と似たようなサイズで、ジープの底辺を一気に拡げる役目を担う。来年75周年を迎えるジープ・ブランドは過去最高の販売状況にある。年間販売台数はリーマン・ショック直後の2009年の33万台からV字回復し、12年には過去最高の66万台を記録、昨年は初の100万台を突破し、18年までに190万台に成長する大胆な中期計画を掲げている。